泡夢の記

[歴史]

300

67,488

50件のファンレター

お殿様と家臣がケンカしちゃったら?

そりゃもう、大変ですよ。国が滅びるような大問題。幕府にも内緒にしなくちゃ!
だけど今の徳島県では、本当にそういうことがあったのです。正義感の強過ぎるこのお殿様、果たして皆さまに共感してもらえるでしょうか?
主人公は、名前の残っていない側室の女性に。知られざる郷土史の一つです!

(主要参考文献)
笠谷和比古『主君「押込」の構造 近世大名と家臣団』講談社学術文庫
石躍胤央ほか『徳島県の歴史』山川出版社
徳島県史編さん委員会『徳島県史 第一巻』徳島県
同         『徳島県史 資料集』
三宅正浩「藩政改革の政治構造」『史林』史学研究会 2007

※書影は、Canvaで作成させて頂きました(作者の写真ではありません)。

ファンレター

読了

最終話で、お楽に全く触れないところがすごいと思いました。もしお楽と出会わなければ、意外に「物分かりのいい殿」、もしかしたら「名君」とさえ呼ばれてすんなり一生を終えたかもしれない(この小説のおかげで、「名君」の定義がちょっと変わりました。家来にとって都合のいい殿が、意外に歴史の中で「名君」扱いされた可能性もあるわけですよね)。良きにつけ悪しきにつけ、それだけの影響を殿に与えた人物なのに、最終話における殿の心の中で、お楽との思い出は「泡夢」と化してしまっているのでしょうか。でも、そういう突き放したラストによって、お楽という一人の女性の姿が、読者の中に痛烈な哀しみと共に残る気がしました。
また「あとがき」は、つばめさんの創作の楽屋裏を覗き見させてもらった気がして、とても興味深かったです!それにしても、お楽、作者さまの前でも自由でいいなあ…(*^^*)

返信(1)

三奈乃さん、最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。「家来にとって都合のいい殿が…「名君」扱いされた可能性も」。おお、さすが三奈乃さん、仰る通り! 私もここで気づかせて頂きました^^。ほんと歴史上の「偉人」って、実態は結構怪しいものですね(笑)。
最終話では、お楽に触れるわけにはいかなかったんですよ。重喜がこの後、色狂いに走った説明がつかないし^^;、何より歴史に埋もれた哀しい人物をよみがえらせるのがこの作品の目的だったので。
三奈乃さんの楽屋裏もかなり気になります。機会があったらぜひ語って下さい!