バイブル・スタディ・コーヒー ~スラスラ読める! 聖書入門

作者 mika

[歴史]

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79件のファンレター

バイブル・スタディの仲間たちの会話をちょっとだけ覗いてみてください。
寝ころんでスラスラ読める! 「物語」がわかれば、聖書は楽しい。
聖書を最初から最後まで読み通すのは大変です。途中でいやになってしまうことも珍しくないでしょう。
なんとなく難しそうでも、聖書のことばの向こうには、豊かな歴史と文化が広がっています。
どなたでも、実際に聖書を読んでみようというかたのお役に立てればうれしいです。


アイコンはTopeconHeroesダーヤマ様の「ダ鳥獣戯画」より使用させていただきました。

ファンレター

「創世記」 ソドムの王との会見/メルキゼデクの祝福 メルキゼデクとモルモン教 映画「バベル」

今回は、とくにメルキゼデクの記述が興味深かったです。メルキゼデクは、一般のキリスト教徒にはなじみのない名前かもしれませんが、私は以前、モルモン教の総本山のある米国ユタ州に住んでおりましたので、モルモン信徒の友人からはよく聞かされた名前でありました。モルモン教はキリスト教の比較的新しい分派ですが、彼らは「神権」といって男性だけに、洗礼を与える権限ですとか、教会の要職につける権利を与えています。モルモンの神権にはメルキゼデク神権(大神権)とアロン神権(小神権)があり、それぞれの権限は彼らがモルモン書と同様に使っている「教義と聖約」に説明があります。そうしたわけで、モルモン教に人たちは、今回、mika さんが引用された旧約聖書と新約聖書の箇所もメルキゼデク神権の説明の時に引用しております。聖書の登場人物の中では、「アロン」は有名ですが、「メルキゼデク」のような登場箇所の少ない人物が、キリスト教の分派によってはその名前が日常的に使われているというのは興味深いことではあります。もっとも、私の持っている安直本”Mormonism for Dummies”には「the Roman Catholic Church also has a Melchizedek Priesthood order. P69」とありますので、他派でもある程度は使われている名称なのかもしれません。

前回の私のファンレターの「バベルの塔が建設されたのは、ノアの系図でどの子孫の時代に当たるか」という疑問に対して、『ユダヤ古代誌1』などからの引用をされながら、丁寧にご回答いただき有難うございました。勉強になりました。今回のmikaさんの「バイブル・スタディ」の「バベルの塔」の解説に触発されましたので、2006年のアメリカ映画「バベル」を鑑賞いたしました。映画の予告編では、創世記の引用がありましたので、映画の中でも「バベルの塔」について引用がでてくるものと思ってみましたが、聖書についての言及は一切ありませんでした。ただ、コミュニケーションの難しさについてはよく描かれており、カギとなるのは、同じ言語が話せるということではなく、お互いを思いやるハートであるというメッセージが込められていたと思います。私の映画「バベル」についてのコメントは以下にアップいたしましたので、お時間のおありの時にでもご一読いただければ嬉しいです。

https://filmarks.com/movies/23583/reviews/119288463

次回のロトの話も楽しみにしております。

荒野の狼

返信(1)

荒野の狼さん、いつもお読みいただきありがとうございます。前回の「バベルの塔」のお話、お役に立ててうれしいです!
映画「バベル」は見たことがありませんでしたので、さっそく予告編を見てみました。荒野の狼さんの映画レビューをお読みすると、これは異なる文化圏で同時にコミュニケーション不和による問題が起こる物語なのですね。「コミュニケーションの障害となっているのは、むしろ同じ言語を話しながらも、理解しあおうとしない背景の異なる人々」という考察に、なるほどと思いました。コミュニケーション不和は、単純に言語がばらばらになったことが問題なのではなく、同じ言語を話す人々の間であってもさまざまな理由で分断が生じ、相互理解を阻害してしまっているのですね。昨今の報道を見ますと、アメリカ国内はますます分断が深まり、コミュニケーションできなくなってしまっているように感じます。逆に、たとえ言語が通じなくても、思いやりがあればコミュニケーションはできるのですね。この映画公開時に、「日本語の部分だけに字幕がなく、日本国内で聴覚障害をもった人にとっては、日本語の部分が理解できないで鑑賞に支障が起きた」として問題なったのですね。聴覚障害を題材とした映画としては、たしかに配慮が足りないと言えますね。
聴覚や視覚に障害があっても、映画館や劇場に足を運び、楽しまれるかたはたくさんおられると思います。わたしが子供の頃に仲が良かった友人は視覚に障害がありましたが、一緒に映画館や動物園に行った思い出があります。わたしの音楽仲間には、聴覚障害のための学校で音楽を教えている友人がいます。そのかたと演奏会でご一緒したとき、客席に教え子(聴覚に障害がある子たち)が来てくれたと喜んでおりました。耳がきこえないのにコンサートなんて、と思うひともいるでしょう。でも、当事者たちは音が聴こえなくても、振動を感じることで、音楽を楽しんでいるのだそうです。

モルモン教では「メルキゼデク神権(大神権)とアロン神権(小神権)」という考え方があるということ、初めて知りました。以前に、モルモン信徒は一般的に「新約聖書は、聖典として旧約聖書に替わる新しい契約」であると考えていると伺ったので、『旧約聖書』を読んでいないかたが多いのだろうと思っていました。しかし、『旧約聖書』に登場するメルキゼデクやアロンが祭司職の象徴として用いられているのですね! 聖書における祭司権の大きさを比較すると、
レビたち<アロン<メルキゼデク=イエス
このように比較できると思います。なのでモルモン教では、メルキゼデクは大神権、アロンは小神権としているのでしょうね。個人的な意見としては、男性だけでなく、女性にも祭司権を認めてほしいですね。

次回は、有名な満点の星空の下での神の約束の場面と、ハガルのお話です。次にロトが再登場するのはソドムとゴモラの滅亡のお話で、もうしばらく後になります。引き続きよろしくお願いいたします^^