石刻師リョウ 草原の風
唐の玄宗皇帝の世も、即位後二十年以上経ち、たがが少しずつ緩み始めていた。唐の北には、遊牧騎馬民族国家の突厥(とっくつ)があり、両国は長年、争いと友好を繰り返していた。
唐の都、長安では、様々な文化や人種が混じりあい、人々が活き活きと活躍していた。そして東西を結ぶ草原や沙漠の道、オアシス都市では、ソグド人商人が交易を担っていた。
そんな時代に、主人公のリョウは、ソグド人商人の父と、長安の石屋の娘である母の間に生まれ、二歳年下の妹シメンと共に、長安の北、長城の外の草原で平和に暮らしていた。しかし、その集落を、唐の軍隊と思われる軍勢が突然、襲撃してきた。彼らはなぜ襲って来たのか、そして逃げるリョウとシメンはどうなるのか。
漢人でもなく、ソグド人でもなく、突厥人でもないリョウが、人は何のために生き、何のために戦うのか、厳しくもおおらかな北の草原の暮らしの中で、悩み、もがきながら成長する姿を描く。
ファンレター
続きが楽しみです!
ファンレターを失礼いたします。
壮大な歴史ものの予感がするオープニングですね。
舞台となる時代や地域から井上靖や司馬遼太郎を思いますが、
現代的で読みやすい文章になっており、その面でももちろん期待が大きいです。
モンゴルには一度しか行ったことがありませんが、あのモンゴルや中央アジアにはロマンを感じざるを得ません。
5月4日朝の時点で最新話まで拝読しました。
引き続き拝読したいと思います。
よろしくお願いいたします。
返信(1)
感想をありがとうございました。ご指摘頂いたとおり「読みやすさ」を心がけていますが、物語の雰囲気を壊さずに平易に書くことが難しく、悩みながら書いています。私もモンゴルに行ったことが、この作品のきっかけになっています。これからもどうぞよろしくお願い致します。