【戯曲】闇の左手(ル=グウィン原作/オリジナル訳に基づく二人芝居)

[SF]

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10件のファンレター

宇宙のさいはて、極寒の惑星。スパイとみなされた地球からの使節は、ただ一人の理解者である現地人の宰相と、大氷原を横切って決死の逃避行を試みる。雪と氷に閉ざされた死の世界で二人を待ち受けるものとは……。
日本では『ゲド戦記』の原作者として知られるル=グウィンの、真の代表作『闇の左手』。その壮大な物語を、かぎりなくストイックな表現で二人芝居の朗読劇にしました。
未村明によるオリジナルの翻訳に基づいています。勝手な二次創作ではなく、正式に原作者の許可を得ています。生前に台本をお見せしたら、大変喜んでくださいました。
(人形は園英俊(そのひでとし)氏の作品です。)

(ここから小声)じつは、原作小説の既存の日本語訳には、訳し間違いが多々あります。少なくとも、固有名詞の発音は私の訳のほうが「正しい」です。ル=グウィンさんに(生前)直接お会いしてお訊きしました。ご本人による朗読テープも私は持っていて(残念ながら絶版)、随時確認しています。
例1.主人公二人のうち一人の名前は、「エストラヴェン」です。冒頭の「エ」にアクセントがあります。(ハ●カワ訳のように「えすとらーべん」ではありません。)
例2.もう一人の主人公ゲンリーの所属する惑星同盟の名前は、「エキュメン」です。同じく冒頭の「エ」にアクセントがあります。(ハ●カワ訳のように「えくーめん」ではありません。)
さらに詳しい話は別編「もっと『闇の左手』」をご覧ください。

ファンレター

凄まじく壮大なSF

今まで、自分には難しそうと思い未読だったSFです。こんなに面白い小説だったとは。私の琴線に触れる言い回しがたくさんあるので、気に入って読み返しています。(資料集もすごい世界観)。前から思っていたのですが、未村さんの言葉、文章って、本当に生き生きとした躍動感があるんですよね。未村さんの翻訳だから読みやすいのかもしれません。生前原作者と交流があったというようなびっくりする経歴の方に、こんな風にファンレターが出せちゃう、それがここの凄いところです。

返信(1)

ありがとうございます! そう言っていただけると本当に嬉しいです。私べつに「交流があった」なんてわけではなく、舞台化の申請をしたときに、初めは日米それぞれの代理店を通してのやりとりだったのですが、そのうちル=グウィンさんに直接メールさせていただけるようになって、いろいろ質問して、ずうずうしくもアメリカまで会いに行ってしまって。それだけなんです。ただの追っかけです。(^^;
(ここから小声)いまある翻訳は必要以上に難しいです。私はそう思います。原文は格調高い名文ですけど、とても明快なんです。それが残念でなりません。もっと広く知られてほしい名作です。逆に、資料集に入れた「聖典」とか「古文書」とかはホントに古文って感じなので、日本語も古めかしく訳してみました(「古文書」のほうをより古文ぽくしたつもり)。他の章も少しずつ載せていく予定です。つまりゲリラ戦なので(笑)、どこまで行けるかわかりませんが、どうか応援してくださいませ!(^^)/