無言電話

[現代ドラマ・社会派]

53

3,764

9件のファンレター

お父さんがいなくなったのは、私が中学2年生の時だった。

ファンレター

人生の味を噛みしめる

佐久田さんの新作!しかも「写真で一篇」できましたか!
人生の味を噛みしめる…正にそんな感じがする見事な短編だと思いました^^

しじみのお味噌汁、汐里ちゃんが「学校へ向かう電車の中で」考える常備菜、それからお父さんがかつて「大きな鍋」で、「コトコト」似ていた「豚の角煮」……。
現実の生活の音と匂いが、これらの料理から響き、湯気とともに漂ってきます。

ラストから二行目の「〇〇〇〇、私はお父さんに〇〇〇〇〇をする」の言葉が、すごく印象的でした。
汐里ちゃんの思い――決して単純な恨みだけではない、複雑な感情がこの一行に籠められている気がしました。それに対するお父さんの反応も含めて、二人だけの秘密の、不思議なコミュニケーションの形でもあるような…。
僅か5000字で、人生の重みや切なさ、やるせなさといった複雑な味わいを噛みしめることのできる好短編!さすがです!(^^)♭

返信(1)

南ノさん、ありがとうございます!
今回は腰を据えて?書いてみました。皆様のやりとりを拝見して、「私、横着して描写を端折りすぎ?」と思い至ったもので(汗)
「現実の生活の音と匂い」、感じていただけました?(胸をなでおろす)
ラストを取り上げていただき嬉しいです。母と娘はいまや戦友のような関係になっていて、それでたまにお父さんへ(子どもらしい部分の)言語化できない気持ちをぶつけるような……そうです、秘密を共有しているのです。

南ノさんはいつも、とっちらかった私の頭の中を整理整頓、交通整理してくださって、珠玉のレビューを送ってくださる、まさに宝物のような……南ノさんの知性恐るべし、といつも感じております。
重ね重ねありがとうございました!(#^^#)