三奈乃の読書日記

[創作論・評論]

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53件のファンレター

わたし――南ノ三奈乃が読んで面白かったと思う本を紹介していきたいと思います。
純文学多めになるかな? ……と思っていたのですが、エンタメもマンガも……もうなんでもありになってきました!
※表紙イラスト/ノーコピーライトガール

ファンレター

「緑の歌—収集群風—」すごく良かった!

 お試しで、少し読みました。最初の頁はこれ、写真?と思うくらいの美しさ。そしてもちろん、海辺のシーンでははっぴいえんどの「かぜをあつめて」を流しながら読みました。見開きが素敵だったなあ。「かぜをあつめて」は、あ、この曲か、と。どこかで気にも留めずに何回も聞いていた曲でした。はっぴいえんどの曲だったんですね。
 ちょっと読んだだけでも、夏の海風の湿気と青春のあやうい透明感がたまりません。主人公が、テレビで見るアイドルのような美少女ではなく、素朴な可愛いお嬢さん、というところも萌えポイントでした。海にたどり着く者達への主人公の振る舞い、心情の表現など、文学的だなあと感じました。
 淡々と展開していくどこか懐かしいストーリー、ちょっと青春を思い出しました。(*^^*)
 素敵な本のご紹介ありがとうございました。

返信(1)

不二原さん、お読みいただきありがとうございます!
『緑の歌』、amazonの「試し読み」で読んで下さったんですね!
いいですよね~♪♪この作品^^
すごくリアルで、繊細で……紙の本でじっくり読むのにふさわしい本です。装丁もとてもきれいで……。
この後、主人公の緑は、高校を卒業し、台北の大学に通うために一人暮らしを始めるのですが、そこでバンドをやっている男の子(下巻の表紙は彼です)と出会い、甘酸っぱーい初恋の物語が展開していきます。
ライブハウスの名前が「海辺のカフカ」だったり、男の子が「ヒロインの名前が君と同じだよ」と言って渡してくれた本が『ノルウェイの森』だったりと…はっぴいえんどだけでなく、村上春樹が重要なモチーフとして使われています。
また、主人公が他人と話す時、すぐ顔が赤くなったり、困ったような笑顔を浮かべたり、無意識に手で口を隠す癖があるなど、「普通に可愛い女の子」の「萌えポイント」がいっぱいで、また不二原さんの仰る通り、思わずどきっとするような「文学的」な表現がちりばめられています(どこか、つげ義春的世界を女性的な視点と線で描き出したような趣もあると感じました)

それから、不二原さんの『ガフェ!』、傑作だと思います!
ぴったり2000字の中で、キャラが立っていて、ユーモラスでありながら、しっかりドキドキ感もあって……物語の魅力、面白さがぎゅぎゅっと濃縮されて詰まっている感じがしました。ラストの台詞もぴたっと決まって、掌編のお手本のよう。脱帽です‼(公開後すぐに拝読し、速攻「いいね!」を押させていただきました^^)