三奈乃の読書日記

[創作論・評論]

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わたし――南ノ三奈乃が読んで面白かったと思う本を紹介していきたいと思います。
純文学多めになるかな? ……と思っていたのですが、エンタメもマンガも……もうなんでもありになってきました!
※表紙イラスト/ノーコピーライトガール

ファンレター

『この世界の片隅に』

以前、桐乃さんがエッセイで『夕凪の街 桜の国』を紹介してくださって、そのとき一緒に『この世界の片隅に』も併せて購入して読みました。
読み飽きることのない、読むたびに発見があるような魂の籠った名作だと感じました。絵も唯一無二といった素晴らしさがありますよね。
今回、南ノさんの案内で、なるほど……と、作品の解像度が高まり腑に落ちた思いです。

そうそう、水原が訪ねてくるシーンは、ドキドキしました。
夫が、すずと水原が好き合っているのを察して、一夜、すずを差し出そうとしたので。水兵である水原が、明日をも知れぬ命だからでしょうか。
わかりやすく描かれているわけじゃないので、逆にとてもリアルに感じるんですよね。
そんな夫にすずが腹を立て、そして南ノさんの書いてくださったシーンへと続いて……
思わず、また読み返してしまいました。物語の核を取り出し、大切なことを気付かせてくれるレビューでした。

返信(1)

佐久田さん、お読みいただきありがとうございます!
この作品は多くの方が既に読んだり、観たりされているに違いないと思ったのですが、読後の興奮冷めやらず、「読書日記」に書いてしまいました^^

桐乃さんが『夕凪の街 桜の国』のレビューを書いていらっしゃると教えていただき、今読んできました。『桐一葉』の一篇だったんですね。実は次に『夕凪の街 桜の国』を読んでみようかなあ、と思っていたのです。さすが桐乃さん、本当に素晴らしいレビューですよね‼ こちらも絶対、読んでみます♪♪

水原との再会シーン、本当にドキドキしました。すずが、すごい台詞を言っちゃうんですよね!
上巻の本編が始まる前に、「エピソード0」的な短篇が三篇入っていますよね。その中の一篇「波のうさぎ」に、すずと水原の小学校時代のエピソードが描かれているじゃないですか、あのお話がすっごくよくて……。すずが水原のために絵を描いてあげると、水原が代わりに焚きつけを拾ってくれて、その籠の中に花が一輪入っているという演出の心憎さ!
波の上をはね飛ぶうさぎと、去っていく水原の後ろ姿、それを見送るすず……絵の力ってすごい‼ と改めて、心から思った次第です(*^^*)