一杯の紅茶のためなら

作者 mika

[歴史]

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6件のファンレター

1878年の秋、ペテルブルクの鍛冶横町。アンナの夫は小説家で、25歳も年上。食と健康にこだわる夫のために、アンナは心を込めて食事のしたくをして…。
そんな、年の差夫婦の朝食のひととき。

【参考】『ニシンの子牛肉添え。食べ物と作家とレシピについての本』(エリダール・オルジェフ)

ファンレター

はじめまして

私は文学的な素養というか教養が皆無なのですが、とても楽しめました。(知識があったらもっと楽しめるのでしょうけど(汗))主人公アンナの所作から夫に対する敬愛が伝わってきて、そしてアンナの目から見た夫のこだわりも微笑ましく感じました。会話も小気味よいです。読んでいる間、作者が丁寧に紡いだ史実を織り交ぜた物語世界に招かれて、上質なもてなしを受けているような心持ちでした。パスチラは私好みのレシピだったので、ネットで作り方の画像を見たのですが、結構手間暇かかりますね!でも一度食べてみたいです。(*^-^*)

返信(1)

佐久田さん、はじめまして。お読みいただき、ありがとございます!
本作のアンナは、作家の二度目の妻です。最初の妻が病死し、その妻の存命中につきあっていた女性とも別れた後に、速記者として雇った若い働く女性が、未来の妻アンナでした。
回想録を読むと、お茶に対する尋常でないこだわりなど、作家の神経質でわがままな一面がうかがえます。アンナは、そんな夫をありのままに受け入れた唯一の女性だったと言われています。二人の結婚生活は、子供の死など悲しい出来事もありましたが、作家の人生において最も調和と幸福に満ちた時間だったと思います。作家が亡くなった時、アンナはまだ35歳の若さでしたが、その後再婚しませんでした。夫の死後、彼女は夫の原稿、手紙、メモなどあらゆる品々を大切にあつめ、保管しました。そのおかげで遺稿が散逸せず、今日まで作家の作品が読み継がれていますね。
パスチラのレシピ、調べてくださったのですね! ご興味持っていただけてうれしいです^^ 日本語で読めるのは、「グレーテルのかまど」というNHkの料理番組のレシピが写真と詳しい解説つきで一番分かりやいです。ロシア人のレシピ動画を見ると、家庭によっていろいろなレシピがあるようです。https://youtu.be/GosDqMCV578
こちらの動画のレシピは、リンゴピューレを作る時に、オーブンで焼かずに、最初から鍋で煮ています。ジャムの作り方に近いですね。このレシピはグレーテルのかまどよりも簡単だと思います。ロシアの田舎のおばあちゃんによるレシピ動画では、リンゴのほかにベリーも加えてピューレにしており、ショッキングピンクの色鮮やかなパスチラでした。