雨のコンチェルト

[恋愛・ラブコメ]

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その雨の夜、男は路地の片隅にへたりこみ、自分の足から流れる血が水溜まりを染めるのを眺めていた。
視界に赤い色が揺れ、男が反射的に銃を向けた時――
車のヘッドライトが、人形のように整った女の顔を照らし出した……。

ファンレター

ハードボイルド

のっけからの緊迫した空気に固唾を飲みながら、ラストまで一気に拝読しました。
雨の日に弱った生きものを見つけて拾って帰る、というのはよく聞く話ですが、それがこんな「大きな生き物」とは!
男とアンと伽耶、三人の会話が軽妙で、しかも地の文での説明がほぼないに等しいにもかかわらず、物語の世界観とそれぞれの置かれた状況がすんなりと理解できて、さすがは稀代のストーリーテラー南ノさん……! と感嘆いたしました(*´-`)

第3話での急展開にさらに息を呑み、そこで続けて明かされた情報に胸を衝かれて。
最後まで読み終えて、ほうっとため息がこぼれました。
ネタバレになるので内容に触れられないのがもどかしいのですが、ハードボイルドと近未来の融合、その親和性の高さを感じられるすばらしい作品です。
実はわたし、ハードボイルド大好きなのです。『ミナノ劇場』の「はーどぼいるど?」も楽しく読ませていただきましたが、こうして直球ど真ん中の南ノさんのハードボイルドものを拝読できるなんて!(///ω///)

雨音に閉じ込められた背景が、ハードボイルド特有ののしかかる闇の気配や行き場のない切ない想いなどを浮かび上がらせるようで、どこか乾いた、それでいてしっとりとした物語の世界、堪能いたしました。ありがとうございます(*^^*)

返信(5)

桐乃さん、お忙しい中、拙作をお読みいただきありがとうございます!
桐乃さんの作品や文章の佇まいから、桐乃さんがものすごい読書家でいらっしゃるのをひしひしと感じております。そんな桐乃さんに「ハードボイルド特有ののしかかる闇の気配や行き場のない切ない想い」と過分なお褒めの言葉をいただき、さっきから心臓バクバク状態です。
また、ストーリー的にちょっと詰め込みすぎで説明不足かも、と心配していたのですが、「物語の世界観とそれぞれの置かれた状況がすんなりと理解できる」と温かく好意的なお言葉をいただき、救われた気持ちです!本当にありがとうございます(*^^*)

それから、『ミナノ劇場』の「はーどぼいるど?」も読んで下さっていたんですね、心から感謝いたします^^ あちらはパロディーなのですが、今回改めて一応ハードボイルド風(?)の作品に挑戦したのは、実は自分なりに文章に対する反省がありまして…(汗)
元々自分の文章は形容詞、副詞が多すぎた気がして、それが無駄な贅肉というか…もうちょっと文章のシェイプアップをした方がいいのかなあ、と最近思っておりまして、現在試行錯誤中なのです。ただ、削りすぎると所謂「電報文」みたいになってしまいますし、本当に難しいですね…^^; 「どこか乾いた、それでいてしっとりとした物語の世界」は私の理想で、とてもそんなふうには書けていないのですが、桐乃さんからやさしいお言葉を頂戴し、ありがたい気持ちでいっぱいです。
桐乃さんのしなやかな文章、毎回すごく完成度の高い作品を公開されること…いつも勉強させていただいております!(*^^*)
南ノさん、時間差ですみません。いただいたご返信にどうしてもお返事したくなって、ふたたびのこのこと参りました。

南ノさんがご自分の文章のシェイプアップをお考えになっていると伺い、びっくりしてしまいました。わたしなどからするともう、非の打ち所のない完成された文章のように思えるので。
「形容詞、副詞が多すぎた気がして」とおっしゃっていますが、読んでいてそんなふうに感じたことはありませんし、むしろ、より深みのある「南ノさんの文章」になっているように思います。
(なんだか偉そうな言い方になってしまったかも……すみません;汗)

私事で恐縮ですが、実はわたしも先月あたりから「カロリー控えめでヘルシーな文章を書きたい」という思いが強くなり、ひそかに文体をいじくっている最中でしたので、同じような、といってしまうとおこがましいのですが、南ノさんもご自分の文章にあらためて向き合おうとなさっていると伺って、驚くと同時に、とても共感を覚えました(*´ω`*)
作家の森博嗣さんが「洗練とは装飾するのではなく(無駄を)削ぎ落としていくこと」というようなことを書かれていたのを読んだときに、すごく納得して感銘を受けて、自分もそういう方向を目指していきたいと思いました。
デコラティブな文章も、読むぶんには好きなのですけど(^^;)

長々とすみません。とても共感しました、ということをお伝えしたかっただけなのです。
あと、わたしのことを読書家と表現していただいてとても畏れ多いことです(滝汗)
ものすごく偏った読書遍歴なのでお恥ずかしく……。
南ノさんの読書日記やレビューをいつも興味深く拝読して勉強させていただいております(*^^*)
ご返信はどうぞお気遣いなく、お捨て置きください。お読みくださってありがとうございます!
桐乃さん、ご返信ありがとうございます!
ああ、やっぱり…!桐乃さんもそういうことをお考えなのですね!^^(でも、私こそ、桐乃さんがあの完成された文章を更に細かく修正なさっていると聞いて驚きました)

実は桐乃さんの作品を初めて拝読した時、この方は読者を想定した上で「読ませる」文章を書いておられると感じ、自分がそれまでわりと好き勝手に書いていたものですから反省したんです…^^;
これは私の勝手な想像ですが、桐乃さんはいっぱい湧き出てくる言葉を、削ぎ落したり、抑えたりしてご自分の文章を完成させていらっしゃるのではないか…と思ったのです。

現代の小説では「文章の読み易さ」が重視されますよね。でも、「読み易い」は「簡単」とは違いますし、どう言えばいいんだろうと思っていましたら、「カロリー控えめでヘルシーな文章」というお言葉、正にこれですね!^^
桐乃さんの歴史物――「天叢雲剣」にしても「嬬恋」にしても、時代の雰囲気や情緒は濃厚に感じさせながらも、「今の文章」になっているところがすごいと思いました。
「背徳の味」も、「朗読される」ことをきっちり計算した文章で、一見気楽におしゃべりしているような文体にみせながら、実は無駄な言葉は一つもないんですよね。「うまい文章を書かれる方がいらっしゃるなあ!」と心の中で叫んでしまったのを覚えております^^

桐乃さんは大変好意的に私の文章を取り上げて下さって、本当に嬉しく、ありがたい気持ちでいっぱいです!(すごくほっとしました^^) 
ただ、私はうっかりすると、一つのセンテンスの中で形容詞や副詞を複数重ねて使ってしまったり、前のセンテンスで「~ように」と比喩を出し、次のセンテンスでまた「~ように」と比喩を使ってしまうことがあったりして、なんだかしつこくなるような気がして…^^; 今後は胃にもたれない「カロリー控えめでヘルシーな文章」を目指したいと思います!

「読書日記」にも言及して下って、ありがとうございます。週末あたりに「読書日記」を更新したいなあと思っております。お時間がございます時に覗いていただけたら、こんなに嬉しいことはありません。よろしくお願いいたします~(*^^*)
わー! ご丁寧なご返信を頂戴して恐縮です。ありがとうございます! (ペコリ)
そのうえ、もったいないくらい過分なお言葉をいただいて……激しく動揺しております(滝汗)
なんと、『嬬恋』『背徳の味』までお読みくださっていたのですね。感激です。すごく細やかなところまで掬いあげていただいて、細々と書き続けてきてほんとによかった……と書き手冥利に尽きる思いです。
南ノさんはいつも惜しみなくお誉めくださるので、畏れ多くもありがたく、ひとに与えることを厭わない徳の高い方なのだな、懐の深い優しい方なのだな、と思うと同時に、そのお人柄が気高い文章に表れているから、こんなに魅了されるのだろうな、としみじみ感じ入ります(*´-`)
そんな雲の上の存在の南ノさんと、こうして文章についてお話しさせていただけるなんて、それだけでもう感慨無量です。ありがとうございます(///ω///)

あの、恥ずかしながら、わたしが自分で文章を書くときに唯一気をつけていることがあるとするれば、それは「自分で読み返したときに退屈しない文章を書く」という一点かと思います。
自分の文章をいちばん最初に読むのは自分自身なので、その自分が「つまらない」と感じてしまったら、それはたぶんほんとにつまらないものなのだと思うので(^^;)
南ノさんに文章のお話をさせていただくなんて、釈迦に説法そのもので、恐縮しきりなのですけれど……すみません(汗)
わたしも「カロリー控えめでヘルシーな文章」を目指して、試行錯誤していきたいと思います!

またもや長々とすみません(ペコリ)
読書日記、更新されるご予定がおありなのですね! 楽しみにお待ちしております(*´ω`*)ソワソワ
お仕事などお忙しいことと思いますので、ご無理のないよう、どうぞお身体を第一にお過ごしくださいませ。
たびたび、しかもこんな深夜にお邪魔してすみません。
お読みくださり、ありがとうございます(*^^*)
ご返信はどうぞお気遣いなきよう、お捨て置きくださいませ(*´-`)
桐乃さん、こちらこそご丁寧なご返信をいただき、感謝の気持ちでいっぱいです!
でも、桐乃さんは私のことを買い被りすぎです~><
ここでも、桐乃さんは何作もコンテストで選ばれていらっしゃいますが、私なんて自慢じゃないですが(笑)ちょこちょこマメに出しているわりに、かすりもしないという…^^;
私なんかより桐乃さんの方がずっとすごいです‼(キッパリ)
「自分で読み返したときに退屈しない文章を書く」…ストイックな執筆態度の桐乃さんらしいお言葉で、思わず「なるほど!」と膝を打つ思いです^^
自己評価や自己基準というのは主観的で甘くなるとも言えますが、でも逆に、自分だからこそわかるっていう部分もありますよね(最終的に、自分に嘘はつけないというか…)

また機会がありましたら、桐乃さんと文章についてのお話をさせていただきたいです。とっても楽しいです。ありがとうございます!(*^^*)