泡夢の記

[歴史]

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50件のファンレター

お殿様と家臣がケンカしちゃったら?

そりゃもう、大変ですよ。国が滅びるような大問題。幕府にも内緒にしなくちゃ!
だけど今の徳島県では、本当にそういうことがあったのです。正義感の強過ぎるこのお殿様、果たして皆さまに共感してもらえるでしょうか?
主人公は、名前の残っていない側室の女性に。知られざる郷土史の一つです!

(主要参考文献)
笠谷和比古『主君「押込」の構造 近世大名と家臣団』講談社学術文庫
石躍胤央ほか『徳島県の歴史』山川出版社
徳島県史編さん委員会『徳島県史 第一巻』徳島県
同         『徳島県史 資料集』
三宅正浩「藩政改革の政治構造」『史林』史学研究会 2007

※書影は、Canvaで作成させて頂きました(作者の写真ではありません)。

ファンレター

84話、85話 

堂々の完結ですね!お疲れさまでした、そしてとても楽しませていただきました。

84話のお殿様(元、お殿様ですが)、すっかりアクが抜け客観的になって自嘲するところ、最後にきて親近感を覚えました。
確かに藩を良くしようとする気持ちはあったんですよね、ただ立ち回り方が青臭かったのでしょうか。
こんな偉い人実名での赤裸々なゴシップというかスキャンダル本って、実際にあったのですか? 元お殿様が、ゴシップ本を否定も肯定もしない、その諦念に深い余韻を感じました。
史実に基づく緻密な構成で、それぞれに言い分、それぞれに正義があるので物語が重厚でした。そして毎回見せ場があってストーリーにグイグイ引き込まれました。
85話の『あとがき(と創作日記)』は大好きです! 解説と創作秘話をとても興味深く読みました。難しいと敬遠していた歴史物ですが、この作品で面白いものなんだなって感じました。つばめさんの歴史エッセイとか読んでみたいです。

返信(1)

佐久田さん、最後までお付き合い頂き、本当にありがとうございました。元ネタは出来ていたにも関わらず、ここに投稿し続けるのはやっぱりエネルギーを要しますね。疲れました(笑)。
このお殿様の正義感が空回りしてしまったのは、仰る通り青臭さだと思います。いくらお殿様だって、あんまり自己中心的だと人は付いて来ないですよ。だけどそれを指摘してあげる人が一人もいなかったというのは、やっぱり不運だなあと。
江戸時代の実名スキャンダル、結構あったみたいなんですよ。文春砲じゃないけど、偉い人の話であればあるほど、庶民は熱狂するわけで。あまりにだらしない人だと、共感を得られないので、小説の主人公に据えるのは難しいです。でももう少し筆力が上がったら、書いてみたいなあと思うような「やばい人」が何人かいたりして(笑)。
あとがき、作者が自分の作品にあれこれ言うのは野暮になってしまうこともあるので、後で切るか大幅訂正するか、になるかもしれません……すみません。今回は試験的にやってみたってことで(笑)。
次はしばらくエッセイにしようかなと思っています。歴史ものというわけではないんですが、歴史も取り上げるかも? またお付き合い頂けると幸いです。