フォード vs.フェラーリ

作者 加藤猿実

[ノンフィクション]

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2020年1月に、映画『フォードvsフェラーリ』について書いた記事でしたが、いろいろあって公開のチャンスを失ったので、ここで公開することにしました。
中身は映画の解説・評論が三割ほど。大半はフォードやフェラーリに関するノンフィクションですが、最終章「自動車はどこへ行くのか?」では、19世紀に誕生した自動車の歴史からこの先の未来まで語っています。
映画をご覧になった方もご覧になってない方(但し少々ネタバレあり)も、自動車やこの時代に興味のある方は是非読んでみてください。

なお、公開にあたって内容は一部アップデートしましたが、もともとネットの記事を想定して書いたものなので、行頭の字下げも行っていません。できれば横組みでお読みいただければと思います。
また、表紙のフォードGT40Mk2の画像はCCですが、版権を持つシェルビーから表示義務の指示があるため記載しておきます
Shelby American Inc. - Shelby American Inc., CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=29139561による

ファンレター

フォードVSフェラーリ

私も劇場で観ました。GT40のナスカー用OHVエンジンをチョイスするシーンは、内部構造に精通し故障しにくくトルクフルな特性だから耐久向きだなぁ。と映画を観ながら思いました。あとエンツォ・フェラーリが終始悪人の様に描かれていたのはアメリカ視点の映画と言った趣きでした。

返信(1)

サルトルさま、ありがとうございます。お久しぶりです。
フォードは当時OHVしか持っていなかったのですが、最初のGT40はインディーカー用のOHV 4.2リッターV8エンジン(ジム・クラークがインディ500で優勝したロータス38の搭載エンジン)でした。これが24時間保たなかったことと、フェラーリにパワーで大きな差を付けることが難しかったため、ビッグブロックのストックカー用エンジンを積んだわけです。そのシェルビー流が功を奏した訳ですね。
実際フォード買収の契約をチラつかせてフィアットから多額のスポンサー料をせしめたのは事実のようですし、エンツォは『ラッシュ・プライドと友情』でもかなり悪人に描かれてますよね。では実際はどうだったのかというと……ジョン・サーティースもあまり良い人とは言っていませんでしたし、相当に気難しい人だったのは確かなようです。今のフェラーリの成功はエンツォから受け継いだフェラーリ中興の祖モンテゼモーロの功績だと私は思っています。亡きマルキオンネに追い落とされましたが、若い頃はF1の総監督としてラウダのチャンピオンをサポートしていましたし。