奇譚草紙

[ファンタジー]

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50件のファンレター

奇譚――奇妙な味の短篇、あるいは変てこな短い物語を、ほろほろと書いてみようと思います。

※不定期連載です。

ファンレター

表現に衝撃を受けました

 「その仙人じみた超俗の雰囲気のうちに」からの表現に衝撃を受けました。繊細で怜悧な観察眼、というか感覚……読んでいてもヒヤッとしましたが、それは私の初めて体験したヒヤッ、でした。なんか、怖いでもなく、不気味でも無く、得体の知れない不思議な事に遭遇したような。うまく言えませんが文章だけでこんな感覚が味わえることに愕然としました。指を噛む描写も、不気味なのですが美しかったです。
 源氏物語は、最初の数頁で撃沈してしまったので、この背景にあるさらなる深みは味わえていませんが、これだけで読んでも独特の雰囲気に埋没できました。
 凄いなあ……。

返信(1)

不二原さん、過分なお言葉、本当にありがとうございます!
表現についてお褒めいただき、なんだか舞い上がるほど嬉しいです!(*^^*)
『源氏』の原文が、指を「喰ふ」となっているのは、「噛みつく」の意味なのですが、「喰ふ」という言葉にインパクトがあるので、そこから妄想して私の作中の「夢」の場面になりました。(ですから、あの指を食べる夢は私のオリジナルです。ちょっと過激なのですが、どうか呆れないで下さい~^^)
『源氏』の方は、でもやっぱりすごくて、とても千年も前の作品とは思えないリアルさなんです。左馬頭はこの女性を、甲斐甲斐しく尽くしてくれるけど、容貌はイマイチと思って軽んじて、別な女性とおおっぴらに付き合うだけでなく、面と向かって「あなたのそういう嫉妬深い性格はどうかと思いますよ」なんて言うんです。女性はずっとがまんしているのですが、ある時ふっと笑って、「わかりました、もう別れましょう」と言います。自分の方が優位だと思っていた男は、急に焦ってぎゃあぎゃあ騒ぎ立てるのですが、この時女性が男の指を「噛む」んですね。それで二人は別れるわけですが、男はかえって未練がましく、またこの女性の家に行ったりします。でも、彼女は二度と男に会わないんです。私はこの女性にとても共感するのですが、『源氏』の中で、この女性は「指喰いの女」と通称されているんですよ!まあ、確かにインパクトはありますけど、鬼の女みたいな呼ばれようで、ちょっとひどいなあ…と思ってしまいます^^;
励みになるコメントをいただき、心からの感謝です!(^^)