イワン・イリイチの死因

[健康・医療]

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25件のファンレター

トルストイ『イワン・イリイチの死/クロイツェル・ソナタ』(望月哲男訳 光文社古典新訳文庫)を使用しました。

死に至るまでの心の動きと、死にゆく人の周辺を描いた名作、『イワン・イリイチの死』。そちら方面ではなく、イワン・イリイチの身体的な病名を考察してみたいと思います。

最終診断は、別の物語にしてあります。

別の解釈は歓迎です。
また、難しいところや疑問点に関するご質問も、お待ちしております。

よろしくお願いいたします。




ファンレター

読み応えあり!

ついに来たラスト! 死因(の一番のきっかけ?)は素人目線でも「これはないだろう」と思っていた、まさかまさかのやつでした(笑)。いや、村山さんに誘導されてしまったんですね。お見事です。
血栓や糖尿病についても、(それが直接の死因にならないとしても)なぜ気を付けねばならないのか、よく分かりました。
医学的知識に裏打ちされた分析。病理解剖の最終話も良かったです。内容の重さもありますが、私が今まで読ませて頂いた村山さんの作品の中でダントツの読み応えでした。ありがとうございました。

返信(1)

あおぞらつばめさん、最終話まで読んでいただき有り難うございます。

外傷を「関係ない」で通すより、診察した医者たちを糾弾する方向で攻めることにしました。
現代医療についてのメッセージ、という意味でも、このまとめ方がいいかな、と。

診療記録には、「陰性所見」と言って、「○○ではない」という記載をすることがあります。
例えばひどい下痢の患者さんを診る時、「口唇の乾燥なし」と書く。
脱水の程度が酷いと唇も渇いてくるのですが、訴えで「下痢がひどい」と言われても
「口唇の乾燥なし」ならば、そこまでひどくないのではないかなあ、と推測できる。
そういう記載です。

文豪は体温や皮膚所見を記載していません。これを異常なし、と解釈するのが「普通」かもしれませんが
そういう訳にもいかないのです。これはその医者が「診ていない」「気にしていない」という意味になります。

「ダントツの読み応え」!
有り難うございます。これを越えていくように頑張ります。


今後ともよろしくお願いいたします。