失語の鳥〈アースフィアの戦記外伝〉

作者 とよね

[ファンタジー]

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時空の辺境、遠い異星・アースフィア。そこは、捨てられた被造物たちの墓場。
言葉が望むなら、太陽までもが堕落する世界。
暗い世界。
寒い世界。
異形のモノどもが人を喰う、不変の夕闇の世界――。

記憶をなくした旅の青年テスが、この滅びゆく世界に堕ちてきました。
彼には記憶がほとんどありません。
ただ、傍らに、800年の時を生きるという少女がついています。
不思議な少女・キシャを道連れに、あてどない旅が始まります。

全10話。

※この小説は、作者が2015年9月~2016年5月にかけてブログ連載していた『【アースフィアの戦記外伝】失語の鳥』という小説のトーク版となります。該当ブログは作者プロフをご確認ください。

■アースフィアの戦記とは
 遠い異星アースフィアを舞台に繰り広げられるファンタジー/SF小説群。

・かつて地球人に創造された『言語生命体』と呼ばれる新人類が繰り広げる戦模様を描いた本編
・言葉を魔法のように操る『言葉つかい』たちが異能バトルを繰り広げる外伝

 とで構成されています。
 すべて独立したお話になっているので、どの作品からでもお読みいただけます。

■本文中の聖書の引用はすべて『新約聖書 原文校訂による口語訳 (フランシスコ会聖書研究所 訳注)』より。引用個所は以下の通り。

2-1:『ヨハネによる福音書』1章1節
6-1:『ローマの人々への手紙』3章10-12節
7-1:『ローマの人々への手紙』7章14-20節
9-4:『ヘブライ人への手紙』13章1-2節

ファンレター

お久し振りです

この物語を見て神の力を求めるのは間違っていると感じました。
ルカ福音書には全ての人の心に神が宿っているのだという部分がありますが、締めくくりは正にそれを体現したものだと感じました。
又、非常に哲学的な話題もあり、考えさせられるものがありました。主観によってしか観測出来ないのであれば自分達は何をもってして神を認識するのだろうという問いにも通じます。
そこに見ないで信じる者は幸いである。即ち、信仰の根源が覗き視れました。
キリスト教は良く言葉を重んじていますね。
それと同じ様に言葉使いも言葉の使い方、意志を重んじていますね。
観る者によって世界は異なる。しかし、見方を変えれば世界は希望に満ちています。
それで贅沢な話なのですが、次はどのアースフィア戦記がお薦めでしょうか?
とよね先生からご推薦があれば、そこから続きを見ていきたいと思います。
追伸・不定休な上に家事もやっていますので、拝読させて頂くのが遅れますが、悪しからずご了承下さいませ。

返信(1)

佐藤様

拙作を最後までお読みいただき、ありがとうございます。
失語の鳥を書いたのは27、8のときで、つい先日のような気もするし、ずっと昔のような気もします。懐かしい作品に光を当てていただいたことに心から感謝いたします。

孤独な状況に置かれても、世界は美しく、人は希望を抱くことができるはず、そう信じたくて書いていた記憶があります。書いた時期はカトリックの洗礼を受ける前でしたが、もしかしたらそういう気持ちで小説と向き合うことが、ある種の祈りだったのかもしれないと今なら思います。

他のアースフィアも読んでいただけるとのこと、ありがとうございます。よろしければ外伝『使者と死者の迷宮』はいかがでしょうか。こちらはあと数日で完結する予定です。

拙作を読むのにご無理をなさらないでくださいね。季節の変わり目ですので、どうかご自愛ください。