もっと『闇の左手』~ゲセンへの秘密の扉~

戯曲『闇の左手』の原作小説(アーシュラ・K・ル=グウィン著)は、ひじょうに複雑ですばらしい世界観に基づいています。私の戯曲だけではものたりないという方々と、原作への愛を共有するために、もととなっている引用部分の資料集のコーナーを作りました。翻訳は私のオリジナルです。
アクセスしづらい形になっているページもあり、ご不便をおかけしますが、とある事情のためなので(詳細は「はじめに」をご覧ください)、お許しいただければ幸いです。(スマートフォンでもダブルタップで入れます。)

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1-2,1-3

1-2:ここはとっても意味深なシーンですね。逃亡中にゲンリーに語った昔話など、欠片をあつめて最後の最後にエストラヴェンの心の奥に潜む苦悩が浮き上がってくる……、私は最初に読んだときは逃避行の結末で愕然としていてよくわかりませんでしたが、はっ、と気がついたときグインさんの縦糸横糸を巧妙に織り上げたようなこの物語の神髄を見た気がしました。(こちらでは男性役なのですね、アシェに対してちょっと旦那さんっぽい接し方、台詞。すがるように愛される男役にちょっといらだっているエストラヴェンがリアルに浮き上がってきます)
1-3:「シフグレッサ」という読みなんですね。たしかによく考えてみると日本的。そう言えば、読んでいて「シフグレッサ」にあまり違和感を感じなかったのは日本人のメンタリティに近いからだったのかも。海外の人々が読んだら「なんじゃこの回りくどい文化は」と思うかも知れませんね。「ハンダラ教」はよくわからなくて読み飛ばしていましたが、ああ、確かに「禅」! 原作に太極図も出てきているし、グインさんは東洋の文化に造詣が深かったのですね。訳文とは思えないほど引っかかるところがなくて、滑らかに読めました~。

返信(1)

ありがとうございます。そう、原作だとすごく繊細に伏線がはりめぐらされているんですよね。このアシェくんがもう、重たい女痛い女の典型と言うか(笑)。だけどアシェを男にセレムを女にしておくこともできた気がして、いやいや二人とも男でもいいかとか、語尾にすごく苦労しました。エストラヴェン、この後も敵国のスパイにハニートラップかけられそうになるシーンとかあって(笑)、そのときもスパイのほうが女ですね。前半はずっとハンサムなんですよねー。
「シフグレッサ」か「シフグレッサー」で迷いました。語尾が-sorなんですけど、少なくともル=グウィンさんご本人の朗読では「シフグレソル」ではなく「シフグレッサ」に聞こえます。例えばprofessorが「プロフェッサー」であって「プロフェソル」ではないのと同じ感じで。