有機交流電燈 ダイアローグ

作者 mika

[社会・思想]

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24件のファンレター

☆NEW!!☆第10話、第11話 チャット版にリライトしました。
好奇心旺盛な社会科研究部の仲間たちが語り合う、そんな日常風景をお届けします。
映画、絵本、民話やおとぎ話、音楽、時事的な話題など。

※表紙はAdobe StockからFranzi Drawsさまの作品を使用させていただきました。


ファンレター

エコテロリスト

mikaさん、第10話、第11話を拝読しました。
わたしはゲームとは縁がなく「ファイナルファンタジー」というタイトルだけはもちろん知っていましたが、7がそういうストーリー展開だというのはまったくの初耳で、とても驚きました。

今回の、反石油団体に属する人物たちが名画にトマトスープをぶっかけたという事件をネットニュースで見て、正直、彼らの活動理念と名画を攻撃の対象とする行為の関連性がまったく理解できなくて「???」状態でした。
mikaさんの丁寧な解説のお陰で、ゴッホの絵が標的とされた理由は理解できたと思うのですが、うーん、これってゴッホ、ただのとばっちりですよね?
要は、活動資金集めのためのパフォーマンスに利用されただけではという……。
主義主張や思想は個人の自由ですが、少なくとも、他者が造り上げた作品を自らの思想のために汚す行為には、わたし個人としては1ミリも共感できないし、逆効果でものすごくイメージが悪化するだけです。
他者を尊重できない人間に、どんなに御大層な理念を掲げられたところで、いやいや、まずは落ち着いて、今までの自分の行いを省みてからおっしゃいなさいませよ、と思ってしまいます(>_<")

どんな思想グループからも、やはり過激派というのは派生してしまうものなんですね。
目的のためには手段を選ばない、というより、もはや破壊活動そのものが目的と化しているようにすら思えてしまいます。
集団の規模が大きくなるほど、多くは初心を忘れて烏合の衆に成り果ててしまうというのは、けっこうありがちなことなのでしょうか。
「正義」と「暴力」は相容れない、と思いますが、ここをスッパリと切り離せないところが悩ましくもあります。
いろいろと考えるための機会をいただきました。

以前お話を伺った金融関係もですが、こういう方面にもわたしは疎いので、今回のmikaさんのお話、ものすごくわかりやすくて勉強になりました。
いつも興味深いお話をお聞かせくださり、ありがとうございます(*´ω`*)

返信(2)

桐乃さん、貴重なお休みの日にお読みいただき、どうもありがとうございます!

そうなんです、FF7は子どもを侮らないストーリーで、大人になってから見ると、より奥深さを感じます。
強制シナリオによって命を落としたキャラクターはどんな技でも生き返らないのですが、こういうもどかしさが物語に真実味を与えているような気もします。
(噂によると、仲間の死亡自体を回避する裏技があるそうですが、そうすると当然ながらストーリーがめちゃくちゃになってしまうのだそうです)


桐乃さんがおっしゃる通り、反石油を目的とする活動が、どうして名画を傷つける行為につながるのか、本当に不思議ですよね。
「ジャスト・ストップ・オイル」のこれまでの抗議活動を見るに、活動家や支持者たちの間で、反権力・反権威の意識が強いのではないかと思われます。
反権力の意図がなければ、ロンドン警視庁の回転看板にスプレーをかけたりしないでしょう。
数ある名画の中からゴッホが標的に選ばれたのも、反権威の意味合いがあるように思います。
石油企業は世界の富を独占しているイメージがありますよね。同じように、ゴッホと言えばオークションで超高額取引される絵画という悪いイメージもあります。
反石油団体の人々が信じるストーリーの中では、反石油の目標達成とゴッホの絵を傷つける行為の整合性がとれているのでしょうね。


環境運動の話からは逸れますが、2020年に黒人への人種差別に抗議する「BlackLivesMatter」運動がアメリカですごく盛り上がりましたね。
各地の抗議集会では警察車両が放火されたり、商店の窓が割られて商品が強奪されるなどの被害が出ました。まさに「破壊活動そのものが目的と化している」状況ですよね。
暴力や破壊活動は、怒りの発露なのだと思います。

議員や議会に働きかけたり、裁判に訴えたりといった穏健な形の抗議活動は、抗議者が自分の怒りの感情を抑制する必要がありますし、そもそも国家に対する信頼がなければ成り立ちません。
「BlackLivesMatter」の場合は、警察権力に対する強い不信が事件の発端にあり、国家の中立性が信頼されていないせいで、平和デモではなく暴動になってしまったのではないかと思います。

しかし、抗議集会から暴動に発展すると、黒人差別撤廃という目標達成には逆に遠のいてしまうのが、残念でならないです。
黒人を不当に差別する感情の根っこには、相手への恐怖があると思います。
相手を恐れているからこそ、白人警官による黒人への不当な拘束・暴行が日常的に起こるのでしょう。
暴動が起こることで、白人が黒人を潜在的に恐れる気持ちはむしろ大きくなり、差別感情をより強固にしてしまうのではないかと思えてなりません。

自分の怒りを伝えることは、抗議活動の目的の一つだと思いますが、最終到達目標ではないはずです。
環境運動においても同じで、遠回りに見える非暴力主義の抗議活動の方が、森林伐採阻止や野生生物保護といった自分たちの本当の目標達成のための近道となるのではないかと思っています。


【追伸】
手術ですが、無事終了しました!
出血も少なく、術後の経過も良いとのことで、昨日退院したところです。
痛み止めを内服しても、まだ右わき腹と右足のつけ根あたりが痛く、右足を動かすのに支障があるのですが、今日は昨日よりも歩けているので、一日ごとに回復を感じます。
桐乃さん、先日は温かいお気遣いをいただき、本当にどうもありがとうございます^^
mikaさん、手術を終えられて退院なさったとのこと、そんな大変な最中にご丁寧なご返信を頂戴しまして、恐縮しきりです。心よりお礼申し上げます。ありがとうございます。
経過も良好とのことで何よりですが、まだ痛みもおありとのこと、どうぞご無理をなさいませんよう、ゆっくりとご静養なさってください。

mikaさんにいただいたご返信にありましたように、「ジャスト・ストップ・オイル」の抗議活動から、彼らのあいだで反権力・反権威の意識が強いのでは、とのご意見に、なるほど、と腑に落ちました。
彼らの過激な抗議活動はその後も相次いで報道されていますね……。
示唆に富んだお言葉の数々、とても勉強になります。ありがとうございます(*´-`)

こちらへのご返信はどうかお気遣いなく、お捨て置きくださいませ。
mikaさんのご快復を心よりお祈り申し上げます。