バイブル・スタディ・コーヒー ~スラスラ読める! 聖書入門

作者 mika

[歴史]

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バイブル・スタディの仲間たちの会話をちょっとだけ覗いてみてください。
寝ころんでスラスラ読める! 「物語」がわかれば、聖書は楽しい。
聖書を最初から最後まで読み通すのは大変です。途中でいやになってしまうことも珍しくないでしょう。
なんとなく難しそうでも、聖書のことばの向こうには、豊かな歴史と文化が広がっています。
どなたでも、実際に聖書を読んでみようというかたのお役に立てればうれしいです。


アイコンはTopeconHeroesダーヤマ様の「ダ鳥獣戯画」より使用させていただきました。

ファンレター

ヤコブのひとめぼれ/ヤコブの結婚

いつも大変面白いこの連載ですが、今回は特に物語的な面白さを感じました!
ヤコブはなんと14年間もただ働き!
太宰治の『お伽草子』「カチカチ山」の言葉ではないですが、正に「惚れたが悪いか」状態…(笑)
やりがい搾取ならぬ愛情搾取、更に花嫁すり替え(そこまでする?)…と、ラバンはとんでもない悪党のようですが、でも「婚資」、またそれの代替としての「労役婚」など文化的背景がわかると「なるほど、それも(ある程度)仕方ないのか…」とも^^;
そこから更に踏み込んで、日本の「年季婿」に言及する視点が、さすがmikaさんだと思いました^^
今回も面白くてためになるお話を読ませていただき、ありがとうございます!

返信(1)

南ノさん、お忙しいなかでいつもお読みいただきありがとうございます。面白いと感じていただけて、とてもうれしいです!
婚約期間と結婚後、合わせて14年間も労働奉仕したヤコブは、まさに「愛情搾取」されていますね! 南ノさんの的を得たお言葉に、思わず笑ってしまいました^^
婚資の不足を補う労役婚が、伝統的な牧畜社会では一般的な風習だったとしても、ヤコブの同意を得ずに勝手に事を進めるのは、やっぱりおかしいですよね。「とんでもない悪党」というのは、言い過ぎじゃないです…。
リベカも目的のためなら手段を問わず、族長である夫イサクを平気でだましているので、ラバンとリベカはよく似た性格の兄妹であるなぁと思います。
イサクはヤコブにだまされたと分かったあとも、息子を罰するような言葉を言わなくて、ちゃんと祝福を与えて旅立たせています。
ただし、名目上は「嫁取り」に行くのにもかかわらず、何も持たせなかったのは、イサクなりの罰だったのかもしれません。
ヤコブはラバンのもとへ身を寄せてから、長い間忍耐と苦労を重ねるわけですが、これはイサクが与えた償いの年月なのかなと思います。

文献で「年季婿」という風習を知り、ヤコブの立場とすごく似ている! と驚きました。ヤコブの計画では、婚約期間の七年を勤めあげて、ラケルと結婚し、生まれ故郷のハランへ連れて帰るつもりだったでしょう。(そのころにはエサウの怒りもおさまっていると考えて)
しかしラバンのほうがずる賢く、ヤコブはもう七年労働奉仕するはめになり、独り立ちさせてもらえません。
今回のお話では出てきませんが、ラバンにはふつうに息子たちもいるので、ヤコブが妻のためにラバンのもとで一生懸命働いたとしても、ラバンの全財産を譲られるわけではないのですね。(ヤコブは日本で言う「年季婿」であって、「入り婿」ではないから)
なので、ヤコブは一刻も早く独り立ちして、自分の財産をつくらなければならないのですが、この先も思い通りにいかない展開が待っています。
次回は、姉妹で同じ男性の妻となったレアとラケルが争そうお話です。引き続きよろしくお願いいたします。