チャットで『カルミナ・ブラーナ』

[創作論・評論]

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4件のファンレター

カール・オルフ作曲の世俗カンタータ『カルミナ・ブラーナ』。一度聞いたら忘れられないような、壮大な現代音楽が魅力です。
でもそこにラテン語でつづられているのは、中世ヨーロッパの官能的な詩歌。こちらにも音楽に負けないほどのロマンを感じます。

一部のクラシックファンだけが楽しむなんてあまりにもったいなくて、チャットノベル化してしまいました。ラテン語ど素人の私がやるにはあまりに不遜な試みですが、各種の翻訳、研究を参考にさせていただきたいと思います。曲と、その背景の魅力をお伝えできますように!

ファンレター

第4話まで拝読しました

サイモン・ラトル率いるベルリン・フィルの演奏、ド迫力で良いですね! あまりタメない、テンポ早めの疾走感のある演奏で、エネルギーを感じますね♪
わたしはズービン・メータ指揮のロンドン・フィルのCDと、リッカルド・シャイー指揮のベルリン放送交響楽団のCDを持っています。

運命の女神の車輪の周りの人物が「同一人物」という解釈を教えていただき、一人の人間の栄枯盛衰を表しているのか、とすごく納得しました。
ご紹介のバレエ付きの動画は、運命の女神がある男の王冠とマントを奪い、別の男に与えるという演出で、歌詞と絵の内容が表現されており、面白かったです!
3分で分かるの動画の方、冒頭で踊る運命の女神は、目隠しをした女性なのですね。ローマ時代の古典『黄金の驢馬』でも、運命の女神を盲目の女性として罵る文言が書かれているので、心憎い演出だなと思いました。3分のストーリー仕立てで見ると、神学生が……(苦笑)

それにしても、フォルトゥーナは明らかに異教の神なのに、名も無き写字生が書いた詩が上司に咎められて燃やされたりせず、立派な本の一部になり、修道院で保管され続けたというのは不思議なことですね。
女神を賛美し感謝をささげる詩ではなく、女神を貶める詩だから、キリスト教信仰に反していない、という扱いだったのでしょうか。
中世の時代にも、成り上がりと転落、努力が報われないこと、不条理な出来事はたくさんあったと思いますが、それを父なる神が理不尽なせいだと罵るわけにはいかず、運命の女神が気まぐれなせいだということにしたのかな、と思いました。

分かりやすい歌詞解説と、面白い動画の紹介をありがとうございます! 引き続き楽しみにしていますね♪

返信(1)

mikaさん、私もズービン・メータ&ロンドン・フィル、持ってるー(笑)!! ほか、ジェイムズ・レヴァインとサイモン・ラトルのCDも持っていますが、ズービン・メータの指揮が最高だと思っています。YouTube動画にもあることはあるんですが、画像が不鮮明なので取り上げるかどうか…といったところ。
女神の目隠しの意味、なるほど、です! ちゃんと意味があったのですね。そうそう、神学生が堕落した挙句にパンツ一丁で捨てられて(?)、何だか可哀想ですよね(笑)。
「父なる神が理不尽なせいだと罵るわけにはいかず…」のくだり、本当にそうかもしれません。mikaさんの分析に脱帽!
確かに名もなき写字生の落書きがこんなにも大切にされ、修道院の奥で禁書として大切に保管されてきたことが不思議ですよね。基本的には、有名な神学者(ピエール・ド・ブロワなど)による作品だと認識されていたからかもしれません。カルミナ・ブラーナの中のいくつかの詩は押韻もしているし、古典古代の引用をしているなど、非常に高い教養を感じさせますが、中世って必ずしもガチガチの禁欲的な世界ではなかったんだなあと感じます。
これは実験的な作品ですが、なるべく楽しんで頂けるよう工夫してみます。引き続きよろしくお願いします!