三奈乃の読書日記

[創作論・評論]

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53件のファンレター

わたし――南ノ三奈乃が読んで面白かったと思う本を紹介していきたいと思います。
純文学多めになるかな? ……と思っていたのですが、エンタメもマンガも……もうなんでもありになってきました!
※表紙イラスト/ノーコピーライトガール

ファンレター

24,25話拝読しました。

 『旅する練習』、サッカー少女に、アントラーズ。純文学はどうしてもしかめっつらしい印象がありますが、この題材を見たときに今どきの風をはらんだ軽やかな印象を受けました。サッカーの練習をしながら旅をする。でも、私がちょっと思ったのは、これで間が持つの? でした。出会いがあったりはするのでしょうが、それでもこの題材で「話」としての起伏をつけることができるのか。いくつもの賞に輝くのですから、読者を引きつける何かがあるのでしょうね、ひねくれ者の私としてはそこがとっても興味深いです。
 『なめくじ艦隊』面白そう! 古今亭志ん生さんは、いろいろと破天荒な逸話は知っていましたが残念ながらその落語を聞いたことがありません。でも「暗闇にヘタを付けたようなナス」のたとえとか「貧乏はたしなむもの」という発言に魅力を感じていました。今回紹介していただいたこの本はとっても魅力的です。破天荒に生きなおかつ名を上げた方って、ほんとうに憧れます。エッセイを読んで追体験してみたいです。他に上げられていた本のお二人も実は噺を聞いたことが無くて、とっても楽しみです。

返信(1)

不二原さん、お読みいただきありがとうございます!
しかも、二話も続けて読んでいただいて……(感涙)

『旅する練習』についてですが、「これで間が持つの?」「この題材で「話」としての起伏をつけることができるのか」という不二原さんのお言葉、ごもっともです! 
この小説、基本的には、本当にサッカーの練習をしながら歩いているだけなんですから……。

私も最初は正直、「これで一冊書けるの?」と思ったんですけれど、実際に読んでみると……これが面白いんですよ~‼ 小説の「面白さ」というものの「不思議さ」を改めて感じました。
……しかも、作中にいろいろ細かい仕掛けがあって、途中からまるで透明な支流が集まって河口に到るように、ラストに向けて収斂されていく感じが見事としか言いようがないんです。しかも、あ、あのラストが……‼

『なめくじ艦隊』は、天才と呼ばれた不世出の名人のすごい半生が、興趣尽きないエピソードの連続で語られていくので、とにかく「一読巻を措く能わず」という言葉がぴったりです!

ただ、落語家エッセイのレビューって、果たして需要があるのかなあ、それも「三回に渡って書きます」なんて大見得切っちゃって大丈夫かしら……と、実はかなり心配しつつ第一回を公開したのですが、不二原さんからお心のこもったレターをいただき、おかげさまで第二回以降を書く勇気が出ました。

本当に感謝の気持ちでいっぱいです‼

第二回、第三回で取り上げるのも、原作はどちらも素晴らしい名著です。
私がうまくその素晴らしさを伝えられるかわからないのですが、引き続きお付き合いいただければ幸いです。

どうかよろしくお願いいたします(*^^*)