三色旗と私

[歴史]

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 江戸時代の長崎における、オランダ人と丸山遊女のラブストーリー。
 プッチーニのオペラ『蝶々夫人』から着想したものですが、物語は史実に基づいて構成しました。ナポレオン時代、日本ではフェートン号事件が起こります。出島という小さな土地に生きた人々。その思いを追体験して頂ければ幸いです。

(主要参考文献)
片桐一男『出島 異文化交流の舞台』集英社
    『江戸時代の通訳官』吉川弘文館
羽田 正『興亡の世界史 東インド会社とアジアの海』講談社
永積 昭『オランダ東インド会社』講談社
石山滋夫『評伝 高島秋帆』葦書房
宮本由紀子「丸山遊女の生活」『駒沢史学』
斎藤阿具『ヅーフ日本回想録』雄松堂

ファンレター

十一章

おはようございます。
昨晩から今朝にかけて拝読しました。
フェートン号事件は僕にとって、よく分からないうちに終わった感がある史実でした。
本作のお陰で、やっぱりヨーロッパのいざこざをアジアに適用した相変わらずのお話であったことを理解しました。
そこにこのヘンドリックです! 人は落ち目にならないと他者に優しくなれないのかもしれませんが……。

赤瀬浩「長崎丸山遊郭」、まだ途中なのですが、
出島の章を先読みしてしまったところ、ヘンドリックとおようの名前を発見しました。
「三色旗と私」とほぼ同時に読み終わらせることを目標にしていますが、
こちらが先になりそうな勢いです。

またよろしくお願いします。有り難うございました。

返信(1)

村山さん、いつもありがとうございます!
「人は落ち目にならないと他者に優しくなれない」、仰る通りだと思います。ヘンドリックのような人も、いわゆる黄金時代に日本に来ていたらもっと尊大に振舞っていて、日本人とそんなに仲良くなることはなかったかもしれませんよね。つらい者同士で分かり合える部分ってあると思います。
フェートン号事件は、私にとっても取り扱いが難しかった史実です。大まかに言えばナポレオン戦争の余波が日本にも押し寄せた、ということですし、日本史の中で言えばこれをきっかけに海上防衛の重要性が認識されたということになりますが……物語の中ではあくまでヘンドリックとおようにとっての試練として描きたかったのです。でも二人を襲った困難はこの事件のみにとどまらないので、どこにクライマックスを置くべきか悩みました。もしかしたらこの辺に、まだ書き直す余地があるのかもしれません。
「長崎丸山遊郭」、買おうかどうか迷っています。他の似たような本を読んでいるので、目新しいことが書かれているかどうか……近所の図書館に入らないかなあ~(笑)。
いつも本当にありがとうございます。またよろしくお願いします。