バイブル・スタディ・コーヒー ~スラスラ読める! 聖書入門

作者 mika

[歴史]

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バイブル・スタディの仲間たちの会話をちょっとだけ覗いてみてください。
寝ころんでスラスラ読める! 「物語」がわかれば、聖書は楽しい。
聖書を最初から最後まで読み通すのは大変です。途中でいやになってしまうことも珍しくないでしょう。
なんとなく難しそうでも、聖書のことばの向こうには、豊かな歴史と文化が広がっています。
どなたでも、実際に聖書を読んでみようというかたのお役に立てればうれしいです。


アイコンはTopeconHeroesダーヤマ様の「ダ鳥獣戯画」より使用させていただきました。

ファンレター

創世記26章

今回は特に心に響くものがありました! かつて難民だった自分を傷つけ、追い出したその人を、温かく迎え入れるのは簡単ではありません。許せない、と感じる人の方が多いのではないでしょうか。でもイサクはそれをやったんですね。神とともにあるという自信があったからこそ、できたことなのかもしれない、と思いました。
古代のイスラエルには、すごい歴史が詰まっていそうですよね。「士師時代」という言葉からは、オペラ「サムソンとデリラ」を連想しました。なかなか政情が安定しないかの地ですが、平和になって発掘調査が進むことを願います。

返信(1)

あおぞらさん、いつもお読みいただきありがとうございます。
おっしゃる通り、イサクが自分たちを追い出したアビメレクや、井戸を奪ったゲラルの羊飼いたちへの憎しみを持ってもおかしくないですよね。アブラハムの時代に掘った井戸をことごとく埋められ、新しく掘り当てた井戸を二度も奪われたら、許せないと思うはずです。さらに、都合よく態度を変えてやって来たアビメレクに、イサクは心のうちでは腹を立てていたかもしれないですね。
しかし聖書では、イサクがアビメレクの申し出を受け入れ、「祝宴を催し、共に飲み食いした」と記されています。内心でアビメレクをどう思っていたとしても、自分の感情を抑えて、イサクは友好の申し出を再び受け入れ、歓待したんです。他の民族との争いを極力避ける、イサクの人柄が分かるエピソードだと思います。
『ユダヤ古代誌』では、著者のヨセフスはこのエピソードについて次のように説明を付け加えています。

「そしてアビメレクは、その希望を完全に達して自分の領地へ帰ったが、そうできたのも、現在の憤懣より、自分や父が彼から受けたかつての恩義の方を重く見たイサクの善良な性格のおかげだった。」(『ユダヤ古代誌1』筑摩書房より)

イサクは寄留地を追い出されたり、井戸を何度も奪われたりしても、新しい土地で新しい井戸を掘り直しています。奪われたら奪い返す、ペリシテ人たちに復讐する、とは考えないのです。この前向きさは、あおぞらさんがおっしゃった通り、「恐れてはならない。わたしはあなたと共にいる」という神の約束をイサクが信じていたからだと思います。
アビメレクと友好の誓いを交わし、彼らを送り出した後に水がわき出たのは、イサクの行いを神が「良し」とされたように読み取れますね。

「サムソンとデリラ」は絵画や音楽、映画でも人気の題材となっていますね^^ サン=サーンスの『サムソンとデリラ』は有名ですし、ヘンデルもオラトリオを作曲しています! イスラエルには古代遺跡が数多くあり、ユネスコ世界遺産に登録されている遺跡丘のうちのひとつがテル・ベエル・シェバ(ベエル・シェバの丘)なのだそうです。
イスラエルは新政権となったので、パレスチナとの関係が少しでも良くなってほしいのですが……。発掘調査が進んで、聖書に新たな光が当てられることを、わたしも願っています。