闇に浮かぶ花火。

作者 SARTRE6107

[ホラー]

35

3,749

8件のファンレター

その浜辺で、花火をしてはいけない。

ファンレター

やっぱり、「我がこと」とは思わないものなのか

 叔父の話と、花火をしている男女の話とを合わせたときに……読者はすぐにピンとくるのに主人公がまるで気付かないのは、人間にありがちな「それは自分のことであるはずがない」「自分の身に起こるはずがない」というバイアスが掛かってしまうからなのか。
 そういう他人事感というものを昨今の「コロナ」を巡っては感じるものが自分にはあるので、これを読みながらうーむと唸ってしまいました。(だってみんな、自分だけはコロナに罹らないと思ってない?)
 そういう意味で、幽霊の話よりも「そこに思い至らない」人間の思慮の浅さに怖さを感じてしまう作品でした。
 そして幽霊の話の出所……。火のないところに煙は立たないわけですから、ここの人たちみんな実は知っていたりしてね。そして黙っているんだったりしてね。黙っている見返りを、叔父は求めらえていたりしてね。……なんてことまで考え始めると人間ってやっぱり怖いな、と思わずにはいられなくなってしまいます。怖い怖い。

返信(0)

返信はありません