五月の死神

[ミステリー]

266

15,818

20件のファンレター

――佐伯さん、あなたずいぶんね。せっかくお手紙さしあげたのに知らんぷりして……。
昭和初期のミッション系高等女学校。
クラスの女王・杠和子と、「死神」とあだなされる佐伯文枝。
二人の少女の関係は、意外な方向に動き始める……。

※本作は昭和八年(1933年)に起こった「三原山女学生心中事件」をモチーフにしていますが、作品内容は作者の純然たるフィクションです。

ファンレター

「死神」の本当に意味がクライマックスでわかり、涙……

短期集中連載、おつかれさまでした。完結おめでとうございます!
第1話時点で、すでに事件は起こり、すべてが終わってしまっていて、その事件が一体なぜ起こってしまったのかを読み進めるうちに読者は知る、という倒叙構成ですね。
文枝さんと一緒に昭和8年2月11日と12日を追体験しながら、起こってしまった出来事をどうしても止めることができないもどかしさを感じました。
倭文子さんの父親が再婚する前までタイムリープして、人生をやり直し、別の未来を選べたらいいのにと思うほどでした。
特にエピローグは、エピソードゼロと言える内容で、読者は結末を知っているだけに、あまりに切なく悲しい気持ちに……。

三原山は伊豆大島に位置するのですね。
三原山の事件については、南ノさんが以前に別のところで教えてくださったので存じていましたが、高尾山か筑波山のような、東京から近い場所にあるのだと思い違いしていました。
わざわざ船に乗って行かなければいけない三原山を選んだ倭文子さんの心情を思うと、この行動は決して突発的なものではなく、心の中で何度も計画を練って、よく考えた上での決断だったのだと伝わってきます。
第19話で過去と現在が交錯する場面が見事で、鳥肌が立ちました。
(まだまだ感想が書き足りないですが、これ以上はネタバレがすぎるので、別の場所で書きますね)

読み応えがあり、考えさせられる物語をどうもありがとうございました。
久しぶりに南ノさんの新作長編を読むことができて、うれしかったです。これからも応援しております。

返信(1)

mikaさん
こちらにいただいたレターと、しゃべログの方にいただいたコメント、どちらも読ませていただきました。
涙が出るほど嬉しいです!
本当にありがとうございます!

実はこの作品で、ちょっと燃え尽きたようになってしまって……暫く小説は、ちょっと書けないような気さえしています…^^;
文枝は、性格的な部分で、ちょっと私の分身のようなところがあり、その点が以前mikaさんが褒めてくださった「オーキッズ」の鏡華やこず枝とは、ちょっと違うところだったと私自身は思っています^^(鏡華やこず枝は、自分ではっきりキャラだとわかって書いているところがありました)。結果、私自身が物語の中にかなり入り込んでしまって、今ちょっと、他の物語を書く気分になれなくなってしまっています(どうしよう…笑)

三原山というのは、私も実際に行ったことはないのですが、映像で噴火口のあたりを見ると、もう本当にすさまじい場所で、あそこに飛び込むということの意味を、私なりに真剣に考えました^^

第19話のところは、自分でも一番悩んで書いたところでしたので、その点をmikaさんに褒めていただいて、すっごく報われた気持ちです。
こちらで書くと長くなりすぎてしまうので、私も別な場所で、改めて続きを書かせていただきたいと思います。
mikaさん、感謝です(*^^*)