五月の死神

[ミステリー]

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20件のファンレター

――佐伯さん、あなたずいぶんね。せっかくお手紙さしあげたのに知らんぷりして……。
昭和初期のミッション系高等女学校。
クラスの女王・杠和子と、「死神」とあだなされる佐伯文枝。
二人の少女の関係は、意外な方向に動き始める……。

※本作は昭和八年(1933年)に起こった「三原山女学生心中事件」をモチーフにしていますが、作品内容は作者の純然たるフィクションです。

ファンレター

物悲しく美しい物語、堪能させていただきました。

南ノさん、

「五月の死神」連載終了、お疲れ様でした!!
只今、エピローグまで拝読させていただきました。

女性として生きる苦悩や、少女たちの葛藤が、美しく繊細な文章で描かれていて、
とても読み応えがありました。
当時の少女たちにとって、女学校を卒業して結婚することは決して幸せなことではなかったのですね。
また、父親や教師、将来の夫は味方となってくれる存在ではなく、むしろ恐れるべき存在だったのでしょうね。
それ故に少女同士の美しい関係「エスの契り」が生まれたのだろうか、と思いました。

文枝さん、倭文子さん、和子さんという三人の少女が、それぞれとても魅力的に描かれていましたし、
徐々に倭文子さんの死の真相が明らかになってゆく過程もスリリングで、
ミステリー小説としても存分に楽しませていただきました。

エピローグの倭文子さんと文江さんとの出逢いが
明るく描かれているだけに、かえって物悲しさを感じました。

良質な映画を観ているような、とてもいい時間を過ごさせていただきました。
改めて、ご執筆本当にお疲れ様でした。
素敵な作品を、ありがとうございました!
これからも応援させてください。

返信(1)

Sariさん
最後までお付き合いいただき、また複数回に渡っての、温かい励ましのお言葉、本当にありがとうございます!
連載中、Sariさんのお言葉に、どれだけ勇気づけられたかわかりません。感謝の気持ちでいっぱいです!

おっしゃる通り、「エス」というのは、少し秘密めかした、疑似恋愛的な関係というだけでなく、その根底には、当時の女性に対する時代的な制約や束縛に対する、一種の「抵抗」があったのではないかと私は考えています。そういう意味で、「シスターフッド」の概念とも通じるものがあるのではないでしょうか。

Sariさんが、温かく好意的な眼差しで、三人の少女を捉えてくださったこと、ありがたく、嬉しい気持ちでいっぱいです!
この作品は、ジャンルとしては「ミステリー」だと自分では思っておりますので、「ミステリ―小説としても楽しめた」とのお言葉にも、すごく報われた気がしました(*^^*)

Sariさんご自身も長編小説を執筆なさっている中で、貴重なお時間を割いて拙作を読んでくださっただけでなく、温かく細やかな励ましを何度も下さったことに、もう一度、心から御礼申し上げます!
今後ともよろしくお願いいたします。