西瓜

作者 西乃狐

[ホラー]

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4件のファンレター

迎え火は、ご先祖様の霊が浄土から迷わずに自宅へと戻ってくるための目印です。
送り火は、お盆を自宅で過ごしたご先祖様の霊が浄土へ帰るのをしっかりと見送るためのものです。
いずれも玄関先などで、焙烙(ほうろく)という素焼きの平皿に短く折った苧殻(おがら)をのせて燃やします。
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 死んでしまった者に対して何を思ったところで、取り返しはつかない。それを誤魔化す為、少しでも自分の気持ちを楽にする為に、人は故人に手を合わせる。初七日や四十九日に、初盆に、一周忌に、どんな法要をしたところで、満足するのは故人ではなく生きている人間だ。これを自己満足という。
 そんなふうに思うことは、人の道に反することなのだろうか。
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2020/09/30 NOVEL DAYS × tree 2000字文学賞「ホラー小説」にて「優秀作品」として選んでいただきました。

ファンレター

懐かしい光景

自分にはこんな体験はないのですが、なぜか郷愁を感じます。一つ一つの描写が丹念で、追体験した気分になって私まで幸せな気持ちになりました。

返信(1)

「何度も何度も」共々、読んでいただき、丁寧な感想まで寄せていただきまして、本当にありがとうございました。