夏を染めて

作者 mika

[学園・青春]

56

4,219

6件のファンレター

第3回『NOVEL DAYS 三題噺バトル』で優秀賞に選んでいただけました。
【お題】浴衣、足跡、ベース
夏休み、古い木造の家へあそびに行く。
はるかは祖母がだいすきで……。

※表紙はAdobe Stockからまるまるさまの作品を使用させていただきました。

ファンレター

昔ながらの手仕事

摺り友禅という、日常ではなかなか馴染みのない世界を垣間見ることができて、とても興味深いお話でした。
手仕事を通じて描かれる、はるかちゃんとばばちゃんとの穏やかな交流がとてもすてきです(*´-`)
半衿を重ねた襦袢をはるかちゃんに着せて見せる場面、ばばちゃんが言葉で直接伝えるのではなく、はるかちゃん自身に体験させて自分でそれに気づいてもらう、という方法がすごくいいなと思いました。おおらかな愛情を感じます。

mikaさんのしゃべログも拝見しました。
鈴の柄、すてきですね(〃ω〃)
魔を打ち払い、神さまをお招きする神聖なアイテムですよね。
mikaさんの『願いを纏って』もとても好きなお話で、そちらでお着物の柄の縁起について綴られているのを拝見して、いたく感銘を受けました。
わたしは菫さんに似たタイプなので、後半部分はとくに彼女に感情移入しながら読ませていただきました。終始控えめな主人公の優しさが心に沁みるようで。

生まれてくる子どもたちの前途に幸多かれと願って名前をつけるように、お着物の柄ひとつひとつにも意味を見出だし、願いを込めて、そういったものに守られながらわたしたちは生きているのだなと、そんなことをあらためて感じました。
すてきなお話をありがとうございます(*´ω`*)

返信(1)

桐乃さん、お忙しいなかでお読みいただき、どうもありがとうございます!
摺り友禅の奥深い世界に興味をもっていただけて、うれしい気持ちでいっぱいです。

わわ、しゃべログの写真まで見てくださり、本当にありがとうございます!
短い期間でしたが、摺り友禅師さんからご指導いただいて、長年にわたって研鑽された技術のすばらしさを肌で感じました。
でも、着物や帯が手元になければ、その仕事ぶり見ることもかなわないんですよね。
桐乃さんがおっしゃる通り、「日常ではなかなか馴染みのない世界」なのは、もったいないなと思っています。

成人式など、一生に一度の機会で振袖を着るというかたもいらっしゃるかと思いますが、近年流通している振袖の多くは友禅風プリントなのだそうです。
摺り友禅、糸目友禅、濡れ描き友禅といった、本物の手仕事で染められた着物や帯は、いまではめちゃくちゃ希少になってしまいました。
藍染、紅花染め、ウージ染め、紫根染め、茜染めなど、それぞれの地方の風土に合わせた染色技法もありますよね。
デジタルプリントが主流の時代ですが、どうかこれからも手仕事が残っていってほしいものです。

また、『願いを纏って』も読んでいただき、感謝申し上げます!
着物や帯は、柄のひとつひとつに願いや思いを込める文化なのだ、とわたしに教えてくださったのは、秩父銘仙の織元さんでした。
「そういったものに守られながらわたしたちは生きている」と、桐乃さんに丁寧に汲み取っていただき、温かい気持ちで胸がいっぱいになりました!
女の子が生まれた両親が、お宮参りで鈴の柄の着物を着せるのは、まさにそうですよね^^

着物はとかくルールが多い、着るのが面倒なものとよく言われますが、「気持ちを込めている」と考えてみると、自分で着るのも、だれかに着せてあげるのも、より楽しくなるかなと思います。