奇譚草紙

[ファンタジー]

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50件のファンレター

奇譚――奇妙な味の短篇、あるいは変てこな短い物語を、ほろほろと書いてみようと思います。

※不定期連載です。

ファンレター

圧倒されました

 多分ここに載せられた直後に読んでいたのですが、余りにも圧倒されて感想が書けませんでした。
 最初の妹と父との描写は目の前で繰り広げられているようで、不快な気分で一杯になりました。そしてどことなく心に溝があるような父との関係、心が通じていたと(多分彼女は)信頼していた母の混迷に裏切られるような感じに至っては、殺意に近いような憎悪がわき上がってきます。ああ、自分にこんな強い憎悪の感情があったんだとちょっとびっくりしました。文章で惹起されるものってすごいんだなあと再認識。
 彼女は救いを見つけたわけではなさそうですが、何か吹っ切った感じがします。
 過去を洗い流して幸せになって欲しいと思いました。

 ちょっと書き方が悪かったかなと思って追伸です。
 小説を読むときは、わりとニュートラルに構える方で、負の感情がわき上がってくるという事が余りないのです。でも、南ノさんの筆力でまるでほんとにそういうことを自分が追体験している気になってしまいました。
 作品自体は、年の離れた男性との最後のシーンが好きです。ぐーっと盛り上がった負の感情がすーっと抜けた気がします。
 文章でここまで心が引っ張られるというのは凄いと思いました。

返信(1)

不二原さん、ありがとうございます!(*^^*)
「書き方が悪かった」なんて、そんなこと全くございません!すごく嬉しかったです^^…実はコメントを読ませていただき、ご返信させていただこうとしていた時、追伸をいただきまして…^^
不二原さんの温かく、やさしいお心遣いに、心からの感謝です!(^^)
実はこの「鰻」は、私も書き終わった時、ちょっと手ごたえのようなものを感じると同時に、公開するのを躊躇してしまう気持ちも、確かにあったんです^^;
『フレイグラント・オーキッズ!』の方は、私自身、「彼女たちが好き、書いているのが純粋に楽しい!」という感じなのですが、時々、私の中のクロ南ノが…クロ南ノが出てきまして!(笑)(『奇譚草紙』は基本的にクロ南ノが書いております^^;)
家族というのは、外から見ると何の問題もなさそうなのに、中はけっこう修羅ってこともありますよね。また、家族関係が安定しているのは、構成員のそれぞれの役割が決まっているからで、それが崩れそうになる(今まで「ダメなやつ」という役割だった子が急に優秀になるとか)時には、他の家族(特にきょうだい)が寄ってたかって元の秩序に戻そうとする(結果的に優秀に変わろうとする人の足を引っ張る)らしいんです。これはADHDについてアメリカ人医師が書いた本に載っていたことなんですが、家族の恐ろしさというものを改めて感じてしまいました。それに人間って、たとえ家から出て独立した生活をしていても、過去の家族の記憶や関係性などに引っ張られ、囚われているものだと思うんです。そういうところを、リアルに描いてみたいという気持ちがありました。
また、ラストは、表面的には特に何も起こっていないのに、人物の内部で何かが進行しているという場面を描きたかったので、「負の感情がすーっと抜けた気がする」と仰っていただき、感無量です! ありがたく、素敵なコメントをいただき、感謝の気持ちでいっぱいです(^^)/