不思議の森の願い池 跡地

[ファンタジー]

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ファンレター

「そんな動物に出会ったら、大切にしないといけないのよ」

成瀬川るるせです。ひとことで感想を述べると「小説の書き方、とてもわかってるひとが書いた児童書だなぁ」ということです。固有名詞の多さが、場に臨場感を与え、でも、嫌にならない程度に抑え込まれているんですよね。そして、作者は現実の森のこと(いや、里山、かもしれませんが)のことを、よく知ってる方ではないか、と思いました。登場人物の言動の、その描写が、都会にしかいなかったかインドア派で外に出ない人かだったら、絶対に出てこない動きや名詞を出してくる。いや、勉強して勝ち得ないと言葉自体も出てこないと思いますが、それ以上に、森などに親しんだひとなのではないか、と思ったのです。
そして、動物がたくさん出てくるのですが、それは冒頭「言葉を喋る動物」で、その動物たちは特別で「そんな動物に出会ったら、大切にしないといけないのよ」と明示される。動物がたくさん出てきて喋る宮沢賢治は仏教的世界観なので喋ることが(たぶん輪廻的に)普通なのですが、この作品は、喋る動物をほかの動物と区分し、大切にすることから、西洋的価値観がベースになっている物語、または作者が西洋ベースで学んだ方なのかな、と思いました。
9月末で公開が終わるとのことですが、電子書籍などに移っても、読まれていく作品だろうなぁ、とおもいます。ご武運を!!


【2020.8.23 皐月原追記】

成瀬川るるせ様

 ファンレターをありがとうございます。素敵な感想に読みながら「むふふ」となっています♪

 小説の書き方がわかっているかどうかは、ぼく自身はあまり自信がありません。この年齢になっても相変わらずの道半ばと言う感じで、永遠に完成しないようには感じています……(汗)

 でも、二十余年この趣味を続けているので、色々と試行錯誤の結果が今のこの書き方になっているということもあり、そこを褒めていただけたことはとても励みになります。努力が報われたような気持ちで、嬉しいです。

 現在はすっかりとインドア派(しかも中途半端な都会済住み)なのですが、小さい頃に父方の実家(山と川と海しかない)で過ごした体験は今でも貴重な創作のベースです。この作品を作るにあたっては、そういった山の中を駆けずり回った当時の記憶を引き出しの奥から取り出しました。
 宮沢賢治は仏教ベースなんですね。それは気付きませんでした!
 ぼく自身に西洋的側面があるのだとすれば、それはもしかしたら小中学生の頃に海外の童話作品を片っ端から読みふけったせいかもしれません。

 10月以降は、もしよかったら引っ越し先の方も遊びに来てください。
 お待ちしています!

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