AAΛY みんなあなたに祈ってる。

[ファンタジー]

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聖書に題材をとった短篇集――格差社会、ブラック労働、不倫、“炎上”、聖書の世界は驚くほどに現代と似ている。もしも聖書の時代にSNSがあったなら、みんな、こんなふうに“つぶやいて”いた? 名もない人から有名なあの人まで、聖書のあの場面、この場面に出てくるさまざまな者たちのモノローグ――。
それぞれ独立した短篇なので、02だけでも、03から読んでも大丈夫です。タイトルに語り手と年代、物語の締めには「AAΛY(アーメン・アーメン・レゴー・ヒューミン)」のフレーズとともに、対応する聖書箇所を記しています。

●01 それは心に起こる ヨハネによる福音書8:1~11 イエスの時代、エルサレムの人びとはかく語りき
●02 今日まで私はドレイだった 出エジプト記1:22、2:1~10 モーセの姉ミリアムの独白 
●03 カナンへの選択 創世記24:1~61 Xジェンダー的なリベカ、気をもむラバン、偽善に悩むしもべ他

01、02、03はそれぞれ完結。
※いったん全体を完結としておきますが、04が準備でき次第、また連載を開始します。
※noteでも公開しています。
※参考文献:『聖書 新共同訳』(日本聖書協会)

ファンレター

一人称視点で描かれる聖書の物語

 初めに目に留まったのは、タイトルのギリシア文字でした。
 興味を惹かれ読み始めてみると、聖書の登場人物や、聖書の出来事にたまたま居合わせた人々の視点で、物語が活き活きと描かれていて、当時の人々の生活場面に自分も飛び込んだかのように感じられました。「みんなあなたに祈ってる」とタイトルにあるように、登場人物それぞれが神に「あなた」と語りかけます。ファリサイ人も、罪に定められた人も、そして素朴な市井の人々も……。
 締めのフレーズである"αμην αμην λεγω υμιν(直訳するなら「確かに、確かに、私はあなた方に言う」か)"は、主イエスの決め台詞。まるで、登場人物一人ひとりに、イエスが語りかけているようにも感じます。

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