人工惑星ノア

人類のエゴ


*第9回星新一賞落選作の改編です。

ファンレター

変わらないもの変わるもの

初めてレターを失礼致します。こちらの作品と『2030年の告白』を拝読しまして、どうして人は“純正”なもの、オリジナルなものに憧れ固執するのだろうかと考えています。SFという設定のなかで(だからこそ)、“最も○○的”な人類(『2030年の告白』では伝統的文化国家)をどう選び定義し、維持・保存していくのか、この過程の書かれ方がとても面白かったです。しかし新しいグループができれば、どうしてもそれまでとは”違う“ものになってしまうし、新しいものは古いものを淘汰しようとする。もしかしたら人は常に変化という苦しみ(であり達成)に曝されているので、変わらないものに幻想を抱くのかなあ、と思いました。示唆と刺激に富んだお話を有り難うございました。

返信(1)

田辺さん、「人工惑星ノア」を読んでいただき有り難うございます。
それどころか、「2030年の告白」そして、「あの頃の恐怖」までも!?
なんだかお時間を使わせてしまい、申し訳ありません。

「2030年の告白」との共通した枠組みを感じていただき、嬉しいです。
SFの多くは、いや小説そのものが実際そうなんだと思うのですが、社会的思考実験という要素ですよね。

地球・宇宙が長い時間をかけてここに達し、更に変化し続けている中にいるちっぽけな我々が、
何故「今」を保ち続けようとするのか。
環境問題などもこの文脈で考えると、もっと大らかに構えられる気がしています。
もちろんここで、極端な「不要論」や「陰謀論」に進みたい訳ではないのですが……。
難しいところです。

というようなところを感じ取っていただき、作者的に感激しています。

引き続き、よろしくお願いいたします。