ブックエンド

作者 桐乃桐子

[日記・個人ブログ]

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10件のファンレター

読書日記チャットノベル版です。
小説・エッセイ・漫画、すべて一緒くたにしてお送りします。
気まぐれ更新になるかと思います。のんびりお付き合いいただけると幸いです。

ファンレター

『推し、燃ゆ』

『推し、燃ゆ』!
私もこの作品は芥川賞受賞時に読んでいたクチ(笑)です^^
内容は面白く読んだんですけれど、でも、この作品って、読んでいない人に説明するのが非常に難しい気がして、自分の読書日記では取り上げなかったんです…^^;

いやあ、桐乃さん、さすがです!
この「面白いんだけど、他人にその面白さを伝えづらい」作品を、見事に俎上に載せて、レビューされていると感じました^^
しかも、チャットノベルという形式が、この作品のポイントを押さえる上で非常に効果的ですよね!
桐乃さんと小手鞠さんの、軽快且つ核心を突くやりとりに、「ふむふむ、そうなんだよねー」と、ずっと頷きっぱなしでした…^^

この主人公はすっごい生きづらいんだろうな、と私も思いましたし、この「推しが背骨」という生活(あるいは生き方?)が破綻に向かうしかないことも、かなりはやい段階からわかるのですが、でも、読者が主人公にすごく共感して、伴走するように読むかと言うと、それもまた、ちょっと違う感じなんですよね…^^;

主人公の生きづらさは理解した上で、でもいまいち共感できない理由は、桐乃さんが仰っている「あかりの場合は、姉の言い分がまったく理解できない」というところにあると思いました。
お姉さんの怒りを「理解できない」ところに、あかりがこの社会を生きていく上での「大変さ」も、もちろんあるとは思うのですが、ここで読者は、自分もあかりに拒絶されたような気がしてしまう……少なくとも私はそういう気分になりました。

桐乃さんがあかりのお姉さんについて、「『おいしいごはんが食べられますように』に出てくる押尾さんを思い出した」と書かれている部分には、私も「あ、これ、わかる!」と思ってしまいました^^
主人公ではなく、お姉さんの方に、むしろ共感してしまうんですよね…。

今回も素敵に面白く、且つ自分がうまく言語化できない部分を巧みに整理して下さったレビューを読ませていただきました。ありがとうございます(*^^*)
ますます快調な『ブックエンド』、続きがまたまた楽しみです~♪

返信(1)

南ノさん、お読みくださりありがとうございます。
わぁ、南ノさんもそうでしたか! 実はわたしも同じくらいの時期に読んでいたのですが、おっしゃるとおり、通常のテキスト版で感想を書くのがめちゃくちゃ難しくて、これまでスルーしてきました(^^;)
本当に、チャットノベルだからこそ挑戦できた作品だと思います。
そんなふうにいっていただけて光栄です~!(〃ω〃)

「推しが背骨」というくらい他者に極端に依存している状態はとても不安定ですし、どう考えても無理がありますよね。
読者からすると、そう遠くない未来になんらかの形で綻びが出てくるだろうと容易に想像がつくので、あかりに共感して寄り添うことも難しくて。
ミスは仕方ないですし、彼女が故意にサボろうとしているのではないことは理解できますが、推し以外はすべて二の次どころか視界にすら入っていない、その容赦ないシャットアウトぶりに、周りの人間は振り回されるだろうし辟易するだろうなと思いました。
お姉さんがとても気の毒に思えて仕方ないです。

あかり「別々にがんばってるでいいじゃん」
姉「やらなくていい、がんばらなくていいから、がんばってるなんていわないで。否定しないで」
このお姉さんの言葉をあかりはまったく理解できないし、否定なんかしていないのに、と思ってしまうんですよね。
このすれ違いがすごく象徴的で、南ノさんのおっしゃるように「自分もあかりに拒絶されたような気がしてしまう」んですよね……。

押尾さんを連想したことを「わかる!」といっていただけてうれしいです~。そうなんですよね、あかりの生きづらさも理解はできるのですが、すんなりと共感できるのはお姉さんのほうで。
周りをフォローする役目を背負わされてしまうとしんどいですよね。しかもそれを「やってあたりまえ」だと思われてしまうのも。

わたしがこの作品を読んで感じたのと同じ部分を南ノさんが細やかに掬い上げてくださって、あ、良かった、そう思うのはわたしだけじゃなかったんだ、とすごくホッとしましたし、書いて良かったと思えました。
いつも優しく寄り添うような温かいお言葉の数々、本当にありがとうございます!(*´∇`*)

【追伸】
「有隣堂しか知らない世界」の「即興で考える短編小説」視聴しました。まさかの展開にびっくりです! うっそー!
そして、司会進行の赤平さん、めちゃくちゃ面白い方ですね! ブッコローと新川先生が必死に創作されているあいだ、自由に歩き回り、ブッコローの毛並みを整え、一緒に自撮り写真を撮り、しかもTwitterへのアップの仕方がわからないとスタッフさんに教えを請うドタバタぶりに大爆笑でした(笑)
その一方で、ディスレクシアで文字を読むのが苦手なため、普段から本を読む習慣がないので本屋さんにはほとんど来ない、というお話を、書店が運営するYouTubeチャンネルに出演しながら、さらっと明るく、周囲に気を遣わせない雰囲気でお話しされたシーンで、すごい方だなと思いました。

勝負の行方も手に汗握りましたが、本当に10分ちょっとで三題話を完成させてしまうだけでもう、二人ともすごすぎる、と感動ものでした。
ノベルデイズでの三題噺コンテストに四苦八苦した身からすると、それだけでもう尊敬のひとことに尽きます……。
2時間弱の動画でしたが、あっという間に最後まで観てしまいました。すごく面白かったです!
楽しい動画をご紹介くださってありがとうございます(*^^*)