左団扇奇譚

作者 音叉

[ファンタジー]

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ここは黒い太陽が輝く世界。昼は薄暗く、夜は尚暗い。

そんな魑魅魍魎と隣り合わせの世界で、妖怪退治『左団扇(ひだりうちわ)』を経営する二人組。

洋装の陰陽師である亜緒(あお)と、「妖殺し」の異名を持つ妖刀使いの蘭丸(らんまる)。

しかし、いつも『左団扇』には閑古鳥が鳴くばかり。

そんな店の扉を久しぶりに叩いた客、藤野宮 宗一郎は「殺したはずの彼女に命を狙われている」という。

奇妙な依頼人の命と自分たちの生活費のために、二人の妖退治屋が軽い腰を上げる。

彼らを取り巻く個性溢れるキャラクター達が織りなす和風怪異ファンタジー。


『左団扇奇譚』のジャンルはファンタジーとなっておりますが、異世界というわけではありません。
この現実世界の裏側にある平行世界(パラレルワールド)に近く、すぐ隣にある似た世界という感覚です。 なので日本史に名を残す文豪の名前が出てきたりもします。
舞台設定は大正時代を意識しておりますが、あまり拘ってはおりません。
そういう認識で物語に接していただけると面白さも倍増するかと思いますが、基本読む人の自由で何の問題も無いです(笑)
和風テイストの妖怪退治物語を楽しんで頂ければ幸いです。

ファンレター

【妖しく 儚く 温かく されど時には 花と散りゆく】

妖怪退治屋『左団扇』に今日も今日とて閑古鳥。
ですが、経営者の二人に光るところがないわけではありません。
むしろ殺しても死なないような、しぶとい魅力の持ち主です。

どう考えても一癖ある洋装の陰陽師、亜緖。
真面目に見えて付き合いのいい妖刀使い、蘭丸。

舞い込む事件は、いずれ劣らぬ難物ばかり。
妖怪退治は言うに及ばず、人探しやらお家騒動、遂には人を斬れというのも。

妖しくも黒々と翳った陽の下、活き活きと躍動する妖怪変化。
陰陽道や妖刀も切れ味抜群。

そして、何よりその語り口。
物語世界を訥々と紡ぐその文体は、温かさすら感じさせて雰囲気たっぷり。

そして、二転三転、七転八倒。
およそ難物にふさわしく、事件は一筋縄で片付きません。
あるいはひねりを利かせ、あるいは機転で起死回生。
その先に待つものは、笑顔の未来か苦い末路か。

いずれ妖しい顛末の数々、化かされたと思ってご賞味あれ。

陽に翳る 街に浪漫と 瓦斯ともし
時にゆるふわ 時に剣呑 花と火花で色を添え
軽妙洒脱 一刀勝負 甘いも苦いも呑み下し
飄然 漆黒 並び在り
妖しく 儚く 温かく されど時には 花と散りゆく

『左団扇奇譚』

その先に残るものは、さていかに。

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