五月に売れ

作者 mika

[経済・金融]

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8件のファンレター

最近の暗号通貨をめぐる人間ドラマ、時事的な話題をご紹介する金融コラムです。
『柴犬は月で笑う』の続編となりますが、前作を未読でもそのままお読みいただけます。
※投資を推奨するものではありません。
※投資を推奨するものではありません。


表紙はAdobe StockからVectorMineさまの作品を使用させていただきました。

ファンレター

暗号通貨

mikaさん、こんにちは。
先日は、懐かしい少女漫画のお話をお聞かせくださり、ありがとうございます(*´ω`*)

今回はこちらと『柴犬は月で笑う』あわせて拝読いたしました。
社会人でありながら金融・経済に疎いわたしに果たして理解できるだろうか、と少し不安でしたが、すごくわかりやすく解説してくださっていて、最後まで興味深く読ませていただきました(*´-`)

社会で成功を収めている人物がハッカーとなり莫大な暗号通貨を盗み出す、という事件は驚きでした。そんなことをしなくてもじゅうぶんに暮らしていけるのに、なぜ? と疑問しか湧いてきません。
そのいっぽうで、イーサリアムの生みの親であるヴィタリック氏は、自らの才能で途方もない資産を生み出しながらも、写真を拝見する限りでは飽食とは無縁そうなストイックな佇まい。
『柴犬は月で笑う』でmikaさんがご紹介くださったお話では、インドの新型コロナウイルス救援基金に12億ドル相当(+190万ドル相当)の寄付をされたとのこと。
額がすごすぎて正直ピンとこないくらいのレベルですが、ツイートやインタビューでの発言からも、ヴィタリック氏が善のひとというのが伝わってきます。すごい方ですね。
手にしたひとの資質次第でお金というのはまったく違った使われ方をしますよね。

ふと思い出したのですが、わたしが「お金」についてはじめて意識したのは、小学校の社会の教科書で第一次世界大戦後にハイパーインフレを起こしたドイツで、当時の貨幣だったマルクが大暴落して、ただの紙切れとなってしまった紙幣の札束をこどもたちが無造作に積み上げて遊んでいる白黒写真を目にしたときでした。
お金なのに、お金じゃなくなることがある、という不思議さ、わけがわからないながらも空恐ろしさを感じて、お金って絶対じゃないんだ、とぼんやりと思った記憶があります(^^;)

暗号通貨については本当に無知なので、こちらで勉強させていただきたいと思います。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします(*^^*)

返信(1)

桐乃さん、先日は大変丁寧なお返事を二通も書いてくださり、本当にありがとうございます!
何度も読み返して、うれしさをかみしめております~^^

ハイスクール・オーラバスターシリーズについてお話できるかたと現実に出会えたの、桐乃さんがはじめてです。やっぱり漫画版もすてきですよね。
『闇は集う』の最終話、プレミア価格なのですか!? 別冊付録、今でも大事に持っているので、桐乃さん宅にお持ちしたいぐらいです。どうか桐乃さんにとって、手にしやすいお値段のものが見つかりますように(祈)
川原泉さんの『笑う大天使』と『バビロンまで何マイル?』、どちらも面白いですよね!
特に『バビロンまで何マイル?』は途中からチェーザレ・ボルジアを題材として本格歴史ものになって、読み応えありました。おかげで、サマセット・モームの『昔も今も』を読んだとき、脳内では川原さんの絵でチェーザレ・ボルジアが動いていました^^
川原さんの『メイプル戦記』と『ブレーメンII 』も好きですよ。

また、わたしのしゃべログや読書ブログまで見てくださったとのことで、どうもありがとうございます。
しゃべログはTwitterのような感じで、自由に書いています。Twitterは見知らぬかたから、思いもよらないリプライが飛んで来ることがあって、最近は以前のように自由に書けなくなってしまいました。
読書ブログは読者を想定して書いていなかったので、とにかく思いつくまま長々と書いてしまって、読みにくいことこの上ないですよね(苦笑) 何かしら、桐乃さんのお役に立てればうれしいのですが…。
『JR上野駅公園口』はホームレス支援について、わたしたちにできることはないのだろうか、と考えさせられる作品でした。
東京や大阪、福岡など大都市のキリスト教会では、ホームレスの支援活動(炊き出しや一時宿泊など)を長年続けているところが多いです。終わりが見えない地道な活動なんですが、社会における弱者のケアというのは大事な活動だなとあらためて思ったのでした。

そして今回、『柴犬は月で笑う』と『五月に売れ』をお忙しいなかでお読みくださって、こうしてお便りまでいただき、感謝の気持ちでいっぱいです!
本作から、第一次世界大戦後のドイツのハイパーインフレを思い出してくださったとのこと、本質を見抜く桐乃さんの炯眼に驚いております^^
そうなんです、政情不安な国や地域に暮らす人ほど、暗号通貨を必要としているんですよ。
特定の通貨の価値を保証してくれるのは国と政府ですが、その国家自体が信用ならない場合は、わたしたちはどうしたらいいんでしょうか。
国家がなんらかの理由で特定の国や地域との取引を妨害する政策をとると、国営銀行じゃない、民間の銀行や送金会社も政府の意向を忖度して、特定の口座を凍結したり、送金をブロックしたりしますよね。
平時はグローバル経済とか、自由経済の推進をうたっていますが、実際は国家権力から自由な取引って、非常に難しいものです。
暗号通貨の理念に賛同する人たちは、国家から切り離された自由な通貨、自由な取引を求める、ちょっとアナーキーな人たちなんですよ。
ヴィタリックさんはまさにそういう思想の持ち主だと思います。彼のご両親がソ連崩壊を経験したことが大きいのでしょうね。
彼のインタビューを読むと、自由と公平のためにイーサリアムの技術を役立ててほしいと願っているため、暗号通貨を過剰に投機的に運用して儲けることや、国家が暗号通貨を管理しようとする動きに対して不快感を隠さないんです。読んでいて面白かったです。
桐乃さんがおっしゃるとおり、ヴィタリックさんはとんでもない大富豪なのにもかかわらず、「飽食とは無縁そうなストイックな佇まい」ですよね~^^
お若いですし、まだまだわたしたちが想像もしないような何かを成し遂げてくれそうな気がします。これからも注目していきたいです。

暗号通貨にまつわるこのコラム、最近のニュースは暗い話題ばかりで、時事ネタを収集するモチベーションが低下していました。
しかし、こうして桐乃さんに読んでもらえて、また書きたいという気持ちがわいてきました!
暗号通貨の取引所には、かなり独特の文化があって、不思議がいっぱいなので、こういう話題もご紹介できたらな、と思っています。できるかぎりわかりやすくご説明できるよう、わたしも勉強しますね。
またおつきあいいただければうれしいです^^