銀行員のクズと怪人シャーロック・ホームズ
倒叙、金融ミステリ。
銀行員、神沢武志の妹が交通事故に遭い、意識不明の重体となる。
妹の神沢花火は神沢武志にとってたった一人の家族であり、人気の高校生作家であった。
どんな手を使ってでも花火を助けたい。そう懇願する神沢に、天才医師の南条柊は次世代医療なら助かる見込みがあると告げる。必要な手術費用は四億円、それを一ヶ月以内に用意する。それが神沢に提示された条件だった。
かくして神沢は妹を助けるため、銀行員の立場を利用して悪逆の限りを尽くし金策に奔走する。銀行が所有する預金情報を悪用。指名手配犯の佐々木と共謀して資産家の高齢者から金を強奪していき、順調に犯行を重ねて金を集めていく。しかしそんなある日、怪人シャーロック・ホームズと名高い探偵、西行寺久叉が多発している不審な事件を解決するため、神沢の前に現れた。
かくして、怪人シャーロック・ホームズと神沢の一進一退の攻防がはじまる。