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南さんへ

 もう読んでしまいました。
 物語りは益々複雑で面白くなって行きますね。
 まさかマリーがキムの処とは。
 それにしても物語を読み進むに付け悲しいのは、後に横滑りで大使になる駐在武官の大島です。
 彼は陸軍士官学校から陸大へと進んだ、謂わば帝國陸軍に拠って純粋培養された軍人です。
 彼のような軍人達が当時ユダヤ資本の中枢を占めるセファルディムの力の強大さを少しでも知っていれば、少なくとも三国同盟などと言う愚かな行為は犯さ無かった筈です。
 狂気の沙汰のナチスと同盟を結び、ユダヤ迫害を座視した日本帝國はそれに加担したも同罪。
 それがどれだけ非人道的で危険な事か。
 そしてそれが何れ我が身に跳ね返って来るのだと言う事が、彼等は全く分かっていなかったのです。
 それは当時だけでなく現在に於いても。
 人種差別や戦争は絶対にしてはならないと言う当たり前の事が、昨今の中国でのウイグル自治区の問題や香港問題を見ていると、当たり前では無いような気がしてなりません。
 またその事による米中対立を見ていると、本当に先行きが不安です。
 だからこそ我々は我々が将来幸せで居る為に、第二次大戦時代ベルリンで何が起こっていたかを知る必要が有ると思います。
 この小説はその為には、欠かせない貴重な教材の一つであると確信します。
 今後も頑張って下さい。
 応援しています。

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