フレイグラント・オーキッズ!~香蘭の乙女たち~

[学園・青春]

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40件のファンレター

時は昭和十一年春、所は横浜の名門基督教女学校――香蘭女学校。
一年生の春野こず枝は、五年生の小野寺房子さまが級友の林鏡華さんと〈エス〉の関係――つまり、〈姉妹〉の契りを結ぼうとする現場を目撃してしまう……。
フレイグラント・オーキッズ(Fragrant Orchids)――香り高き蘭の乙女たちの物語。

※〈エス〉というのは、〈シスター(Sister)〉の頭文字で、戦前の女学校風俗の一つです。
※表紙イラスト及び登場人物のキャラクター画像は、あままつ様のフリーアイコンを使用させていただきました。

ファンレター

終わりがあるからこそ

「学業の終わりは婚姻生活の始まり」。このとめどない切なさ! 終わりがあるからこそ、青春って光り輝きますよね。この少女たちがまぶしく感じられるのは、厳しい将来が待ち受けているからこそだなあと思うのです。
刻々と戦争の足音が聞こえてくるこの時代。でも華宵とかかつぢとか(気になって調べました。どちらの絵も見たことある!と大感激)、独特の甘い雰囲気が全編を覆っていて、それが作品の魅力になっていますね。
これが第一部かあ……。第二部でこず枝さんたちにまた会えるのを楽しみにしています!

返信(1)

つばめさん、第一部最後までお読み下さって本当にありがとうございます‼今回の作品を書くにあたって調べた資料の中に、女学校の卒業式は涙の洪水になるというのがあったんです。彼女たちがそれだけ学び舎での日々を愛おしむのは、それからの人生が辛く困難なものであると予想されるからだとあって、それがすごく印象的だったんです。
あと、華宵とかかつぢとか、昔のレターセットは夢があっていいですよね。これも資料に書いてあったのですが、靴箱に忍ばせる秘密のお手紙は内容だけでなく、便箋などの選定にセンスが問われるので、皆神経を使ったのだそうです。今ならSNSで済ませられちゃって便利ですけど、大事な人のためにレターセットを選ぶ楽しみなんていう繊細な感覚は時代の変遷の中で失われてしまったわけですよね。
二部はできるだけはやく書きたいと思っているのですが、つばめさんの仰る通り、戦争に向かう重苦しい時代背景をどの程度作品に取り入れるかで悩んでいます。「時代」を描くことの難しさですね><