泡夢の記

[歴史]

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50件のファンレター

お殿様と家臣がケンカしちゃったら?

そりゃもう、大変ですよ。国が滅びるような大問題。幕府にも内緒にしなくちゃ!
だけど今の徳島県では、本当にそういうことがあったのです。正義感の強過ぎるこのお殿様、果たして皆さまに共感してもらえるでしょうか?
主人公は、名前の残っていない側室の女性に。知られざる郷土史の一つです!

(主要参考文献)
笠谷和比古『主君「押込」の構造 近世大名と家臣団』講談社学術文庫
石躍胤央ほか『徳島県の歴史』山川出版社
徳島県史編さん委員会『徳島県史 第一巻』徳島県
同         『徳島県史 資料集』
三宅正浩「藩政改革の政治構造」『史林』史学研究会 2007

※書影は、Canvaで作成させて頂きました(作者の写真ではありません)。

ファンレター

83話まで

81話『きらきら御殿』お殿様とお楽が窮地を脱して、この世の春を味わう回。職人集団に褒美の銀を撒くシーン、煌びやかな光が集まるほど、足元に影ができる。倹約令を出しても、自分たちはこんなに贅沢をしていたら民の不満は溜まりますよね。華やかなのにどことなく不穏さが漂い、この栄華がかりそめのものであることを予感させられました。
82話『お裁き』お殿様なのに、簡単に命を狙われてしまうということが驚きでした。敗北はこんな風に粛々と訪れるのですね。お殿様の最後の台詞が重く感じました。
83話『夢の終焉』お楽から市十郎視点へ転換する戦慄の回。昔の女が殿様の側室になって、自分の目の前でチャラつくのを市十郎はずっと見せられてきたんですよね。立場上仕方ないけど二人にこき使われて、時には殿様に八つ当たりで殴られて。最後の慟哭は、それでも徳島藩のことを第一に考えてきた、そのために「やり遂げた」という感情なのでしょうか。読み違えていたらすみません。どうしても市十郎や稲田の爺さんに感情移入してしまいます。(苦笑)ストーリーが力強く衝撃を受けながら読みました!とても面白かったです!

返信(1)

佐久田さん、すごく丁寧に読み込んで下さってありがとうございます! まさに栄華はかりそめのもの。華やかであればあるほど、暗い陰を感じますよね。市十郎や稲田はずっと正論を述べてきたわけで、だからこそ彼らに軍配が上がったのだと思います。市十郎の慟哭は、ずっと続いてきた恋愛感情のつもりで書きましたが、言われてみれば佐久田さんの解釈の方が正しいかもしれません。
この作品、悪者にされた人の名誉挽回を目指したところがあります。84話で物語は終了ですが、あとがきを付け加えようかなと模索中です^^。よろしければまた覗いてやって下さい。