忍夜鯉曲者(しのびよるこいはくせもの)

[ファンタジー]

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4件のファンレター

 滝江はふつーの勉強嫌いな女子高校生。しかし、ある夜彼女を思いもよらない怪異が襲う。
平将門の娘「滝夜叉姫」の生まれ変わりとして覚醒した滝江は、お供の妖蝦蟇とともに迎えうつが……。
 歌舞伎の「忍夜恋曲者」から妄想したコメディ・ファンタジーです。
 5/5 季節ものとして載せてみました。

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ボケも突っ込みも両方こなす、主人公のおとぼけ振りが可愛い!怪異もお供も脱力系というのが新鮮で好きです。後編に登場した緋鯉の口上が滑らかですごく気持ちよくて、掛け合いの呼吸と人情味が不二原さんの真骨頂ですね。ラスト、「おお~」と思わず声が。(笑)
私は相変わらずの無知で元の歌舞伎『忍夜恋曲者』を知らないのですが、とても楽しめました。面白かったです。(*^-^*)

返信(1)

 お読みいただきありがとうございました。歌舞伎に一時はまり、結構貢ぎました(笑)。
 忍夜鯉曲者は、蝦蟇の化け物がでるという噂を聞いた大宅太郎という武者が噂の場所にやってくると、美女に出会い口説かれます。結構ラブラブで踊っちゃったりするのですが、でも結局美女は平将門の娘、滝夜叉姫と見破られ、平将門の死後に反乱を企てようとして大宅太郎を引き入れようとしたのがばれてしまいます。で、ここからセットが大きく変化し、滝夜叉姫が物の怪に代わり、さあ大蝦蟇がでてきた~~! で、終わり。歌舞伎は「さ、いよいよ対決だ」ってところで終わってしまうものが多く、なんど口をぽかんと開けたままフリーズしたかわかりません。思えば、「戦ってよ、滝夜叉姫。蝦蟇呼んだんだから児雷也みたいに乗ってよ、ねえ!」という私の中の悲痛な叫びがこれにつながったのかも知れません。
 でも、脱力系しか書けない自分が悲しいです。
 ああ、コロナが収束したら歌舞伎に行きたい~~(泣)、あの空間でしか体験できない凄まじい美しさ(ライティングとか、衣装とか、もちろん役者さん達の人間離れした美しさとか)のなかにどっぷり浸りたい。要所要所で、舞台の間合いとかけ声がぴったりあったときには心が震えます。でも、立ち回りと派手な演出のケレン味ばかりが好きな自分は、まだまだ歌舞伎の奥深い「情」がわかっていないんだろうなあと思います。