第6話 1円玉ハゲ

文字数 2,321文字

夏の終わり・・・と言っても今年はなかなか涼しくならず、やっと涼しくなったなぁと思うとまたまた夏日だったりして、なんだかいつが夏の終わりだったのかよくわかりませんがカレンダー的に夏の終わり頃のことであります。

いつものように家の中でまったり過ごしている我が家のねこ。リビングで寝転がる次男の横を通り過ぎようとして次男にすりすり。
次男が手をのばしてなぜなぜするとゴロンと横になり・・とここまではいつものようだったのですが、そのとき次男がとんきょうな声を上げました。
「あれ、こいつハゲてる!」
「え!?」
驚いて私が行くと次男がねこの足ところを抑えて指差す先には、左後ろ足の腿の部分が1円玉ほどにまぁるく毛がなくなってピンク色の地肌が。
「え?え ?」
私が確認しようとすると、ねこはスルリと逃げて行ってしまいました。
「ね、見たよね。ハゲてたよね。」
次男に言われて私も動揺しながら・・確かにハゲてたな、と。
すぐに思ったのが飼い始めてすぐの頃ねこのことをもっと知ろうとネットでいろいろ調べていたときに見た、ねこの自傷行為。
ねこはストレスや不安などで過剰なグルーミングをしてしまい、ハゲしまうことがあるとか。

でも・・そんなにストレスたまるようなことあったかなぁ。。

最近は一人で留守番することもほとんどないし日中はケージに入れることもなく、日がな一日のんびりまったり過ごしているはず。思い当たることがありませんでした。
でも、その日は翌日も仕事だったので少し様子を見ようと思いそのままにしていました。3日後、昼過ぎにふと見ると

ゲ!!ハゲが大きくなってる!!!

昨日まで1円玉くらいだったはずなのに・・気が付くと10円玉くらいになっていました。

こりゃダメダ・・

もういてもたってもいられなくなってすぐに動物病院に連れて行きました。
私の説明と患部を見て先生は
「あ~かゆそうですね。ちょっと検査してみましょう。」
と、患部から何かをこそげとってプレパラートに乗せました。
15分ほどたって呼ばれると

「特にノミとかダニとかはありませんでしたがちょっと高い数値のものがありました。通常にも皮膚の表面にはいるものですが、その数が多いのでかゆくなってなめていてハゲになってしまったのでしょう。抗生物質を飲んでもらって様子を見ましょう。」

なるほど・・でも薬 はちょっと。。

実は去勢手術をしたとき、化膿止めの飲み薬を飲ませたのですが飲ませるのも大変だったし、飲んだ後も2回とも吐いてすごく大変だったので、
「薬は難しいんですけど・・」
と言うと
「薬に比べて高価ですが注射もありますよ。」
ということだったので
その日は注射をしてもらって帰りました。

患部を気にしてなめるようだったらエリザベスカラーをつけるように言われていました。でも、去勢手術の後1週間カラーをつけたときに、あまりにもしょぼくれてかわいそうだったのでできるだけつけないようにと思って様子を見ていました。ですが、やはり気になるようでしょうね。どうしても患部をなめてしまうので、カラーをつけることにしました。

3日後、病院へ行って患部を見せるとカラーをつけていたからか、よくなっているもののまだかゆそうだと。
そして衝撃の一言が・・アトピーではないかと。
「え!?この子アトピーなんですか?」
ビックリです。だいたい、ねことアトピーなんて考えたこともありませんでした。

何のアレルギーなんだろう・・食べ物?それとも何かおもちゃとかの素材でダメなものがあるのかな。

頭の中でいろいろなことがワッと浮かんできました。
「先生、食べ物でしょうか 」
「それは調べてみなければ分かりませんが、実は犬猫のアレルギーの検査はとても高いんです。3万円ほどかかります。お宅のねこちゃんはまだそれほどひどい状態ではありませんし、ねこは犬にくらべるとアレルギーはあまりひどくないので今すぐに検査をするよりは、ステロイドの飲み薬を試してみたらいいと思うのですが。」
先生が言われるには、過剰に反応している抗体を自分の持っている力でコントロールできるようにする力を元にもどすための助けをするのがステロイド剤だそうで、症状が出た早い時期に適量を飲ませることでよくなることが多いということでした。
ただ、薬を飲んでくれるか、また吐いたりしないか、それが一番の心配ごとでした。
すると先生が
「この薬はほとんど味がしないので細かく砕いて(極小の錠剤でした)朝一番に食べきれる量のエサに混ぜてやってください 」
とアドバイスをくださったので、その通りにやってみるとねこは薬が入っていることには全く気付かず、ぺろりとたいらげました。
その後2日間はカラーをつけていたのですが、大丈夫そうだったので3日目、カラーをはずしてみました。すると、もう患部はほとんど気にしていない様子でした。
患部を見せに行くと先生もかゆみが取れてきているようだと言われたので、ほっとしました。3日でこんなによくなるとは思わなかったと先生も喜んでくださいましたが、よくなったからとすぐに薬をやめるとまたぶり返すとのことだったので、半分の量を一日おきにさらに3回やって投薬は終わりました。

その後、1か月半ほどたちますが今のところ特にかゆがっている様子もありませんが、この子は少々アレルギーっぽい子なのかもしれないので、今後もどこかハゲはないか、過剰なグルーミングをしていないか、注意して見ていかなければならないなぁと思いました。

ちなみに・・ハゲた部分はなかなか毛が生えてこず、ずっと気になっていたのですが最近ようやくねこの毛並の色に短い毛がはえてきました。
ハゲるのはあっという間だったのに、生えてくるのは時間がかかります・・



ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み