日陰くんは意外としゃべる
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文字数 1,256文字
息も絶え絶えの中、家の目の前にある中華料理屋「北風軒」へと滑り込んだ。
あれ、親父さんは?
ああ、多分、老人ホームにボランティアに行ったかパチンコ。
まぁいいや、とりあえずチャーハンと餃子セット。
朝ドラ見たら仕事する、ってのが我が家代々の家訓でさ……
あ、ダメだ。粉切らしてる。粉。
じゃあ何なら作れるんだよ……
粉……粉がないと……私は何もできない……粉……粉……
そういう「薬物からの復帰」みたいな社会派作品じゃねえから!これ!
バイトにでも買ってきてもらうか……
店主になったから好き勝手出来るのはいいんだけど、自分の時間がないのも辛いのよね。
私だって専業主婦になって夫の金で2000円ぐらいするランチ食べてエステ行って自分磨きしたいのに……
専業主婦の皆さんだって色々大変なんだよ! ならないとわからないんだよ! きっと!
幼稚園小学校中学校高校が一緒で家が目の前の幼馴染のクソヘタレ童貞野郎がとっとと正ヒロインに手を出してさえくれれば私だって専業主婦になれるかもしれないのに……
ついでに殺傷する意味で科学的な粉も買ってきてくれる?
★いいね!
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