【episode1– 喜びの時】

文字数 388文字



「あっ!あった!!」


掲示板の合格発表を見上げながら、私は嬉しさのあまりピョンと飛び跳ねた。




場所を移し、急いで母に電話をする。


「もしもし、ママ?受かってたよ!合格してた!!」


弾んだ私の声を聞いて、ホッと安堵している母の様子が伝わってくる。




「良かった…。」ため息混じりの母の言葉に、きっと午前中は仕事が手に着かなかっただろうなと感じた。


「今頃は中学でも合否の報告がされていると思う。本人も合格したのを知っていると思うよ。」


私がそう告げると、母は心底安心したように、「そうね。良かった。」と声を潤ませた。




その日は、弟の合格発表だった。




仕事があり来校できない母に代わって、昼休みに私が掲示板を見に行ったのだ。



春からまた同じ学校に通える。私は喜びの中、高校の校内を見渡した。




弟のことを宜しくねーーー。



校庭の木々が風に揺れる。



『任せておいて。』なんだか、そんな声が聞こえたような気がした。




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