『聖書漫談裏話 -動機-』(エッセイ/アシェラ著)
文字数 1,800文字
こんにちは、アシェラと申します。普段はTwitterなどでわいわいしておりますが、たまには息抜きにエッセイ的なものでも書きたいなと思って書いています。こんなところまで読んでくれる方はよほどの物好きでしょうし、もっと言えば物好きと呼ばれて喜ぶ性質の方かと思います。そうでなければとんだご無礼を。
さて、タイトルの通りですが、『天使と悪魔の聖書漫談』を連載しているそもそもの動機は何なのかについて語ります。最初に断っておくと、僕はキリスト教徒ではありません。どこにでもいる、お墓は仏教だけれど、それ以外の宗教行事にはさほど熱心でない日本人です。そんな僕がそこそこ時間のかかる連載に取り組んでいるのは何故なのか。実は複数の理由が奇跡的にかみ合ってしまったことによります。
①『古事記』『日本書紀』が好きである。
いきなり聖書関係ないやんみたいなところですが、要は神話が好きということです。特に日本の神話が好きで、いつか自分なりの解釈で小説を書きたいと思っておりました。そんな時に出会ったのが小野寺優さんの『ラノベ古事記』でした。正直、先を越されてしまったという感じで、悔しかったです。内容も本当に丁寧で、分かりやすい。この後に何をしても、『ラノベ古事記』後の作品になってしまうと痛感したのです。
②ライトノベルが好きである。
支倉凍砂さんというライトノベル作家がいます。彼は『狼と香辛料』『狼と羊皮紙』『マグダラで眠れ』といった名作を世に出しています。そんな彼は『狼と香辛料』を書くにあたって、『聖書』と『金枝篇』を参考にしたと言っています。実は聖書ラノベに着手する前に彼の小説にはまり、これをもっと深く理解したいと感じました。聖書をちゃんと読もうと思ったのはこれが理由です。聖書は翻訳や宗派によって違いがあるのですが、その時はあまり分からなかったので、Amazonで評判の良いものを選んで買いました。『原文校訂による口語訳聖書』(サンフランシスコ会聖書研究所訳注)というものです。
③聖書ラノベ新人賞のことを知る。
①と②の両方が組み合わさったタイミングでのことでした。片方だけであれば、新人賞にさほど興味を持たずにスルーしていたと思います。たまたま聖書を読み始めたタイミングでこれを知ったため、ついでだから自分なりに『ラノベ古事記』っぽく書いて、楽しく勉強しようと思いました。賞を取ろうというよりも、聖書を読む動機付けの一つに利用しようというものだったのです。開始した当初は今のように長く続けるつもりもなく、『出エジプト記』の終わりまでやれたら良いだろうという気持ちでした。
このような軽い気持ちで始めたことですが、今では随分と長く続いてしまいました。2019/3/22(金)現時点において、開始からずっと毎日公開を継続できています。どうしてこれほどまでに続けられるのか。大賞に選ばれずともモチベーションに全く影響を与えないのか(笑)。それは、聖書そのものがかなり面白いからです。世の中の「入門書」では味わえない裏話を探ると、驚くほど複雑な世界が広がっているのです。それがどれほど多くの人に読まれ、インスピレーションを与え続けてきたのか。それを想像するだけで痺れるほどです。
例えば女優の土屋太鳳が演じた『累-かさね』という映画があり、劇中劇としてオスカー・ワイルドの『サロメ』を演じる場面があります。『サロメ』自体は新約聖書がベースですが、オスカー・ワイルドは旧約聖書のダヴィデとヨナタンの関係に強い印象を持ったと言います。彼は同性愛者でした。そのオスカー・ワイルドは世界中の文学者に多大な影響を与えています。僕らが何気なく読み、観賞している世界の奥に、実は聖書の物語があるのです。
絵画も、音楽も、文学も、あらゆることの源流に聖書が見え隠れしています。単に「目からうろこは聖書由来」とか「モーセの海割りはあったのかなかったのか」みたいな皮相的な話ではないのです。
そういうわけで、ちょっと熱く、自身が連載を続けるに至った動機について語ってみました。ここまでお付き合いいただき、ありがとうございます。
『天使と悪魔の聖書漫談』
https://novel.daysneo.com/works/178a8cde4a6d50c25c6ec6d23ac00b32.html
さて、タイトルの通りですが、『天使と悪魔の聖書漫談』を連載しているそもそもの動機は何なのかについて語ります。最初に断っておくと、僕はキリスト教徒ではありません。どこにでもいる、お墓は仏教だけれど、それ以外の宗教行事にはさほど熱心でない日本人です。そんな僕がそこそこ時間のかかる連載に取り組んでいるのは何故なのか。実は複数の理由が奇跡的にかみ合ってしまったことによります。
①『古事記』『日本書紀』が好きである。
いきなり聖書関係ないやんみたいなところですが、要は神話が好きということです。特に日本の神話が好きで、いつか自分なりの解釈で小説を書きたいと思っておりました。そんな時に出会ったのが小野寺優さんの『ラノベ古事記』でした。正直、先を越されてしまったという感じで、悔しかったです。内容も本当に丁寧で、分かりやすい。この後に何をしても、『ラノベ古事記』後の作品になってしまうと痛感したのです。
②ライトノベルが好きである。
支倉凍砂さんというライトノベル作家がいます。彼は『狼と香辛料』『狼と羊皮紙』『マグダラで眠れ』といった名作を世に出しています。そんな彼は『狼と香辛料』を書くにあたって、『聖書』と『金枝篇』を参考にしたと言っています。実は聖書ラノベに着手する前に彼の小説にはまり、これをもっと深く理解したいと感じました。聖書をちゃんと読もうと思ったのはこれが理由です。聖書は翻訳や宗派によって違いがあるのですが、その時はあまり分からなかったので、Amazonで評判の良いものを選んで買いました。『原文校訂による口語訳聖書』(サンフランシスコ会聖書研究所訳注)というものです。
③聖書ラノベ新人賞のことを知る。
①と②の両方が組み合わさったタイミングでのことでした。片方だけであれば、新人賞にさほど興味を持たずにスルーしていたと思います。たまたま聖書を読み始めたタイミングでこれを知ったため、ついでだから自分なりに『ラノベ古事記』っぽく書いて、楽しく勉強しようと思いました。賞を取ろうというよりも、聖書を読む動機付けの一つに利用しようというものだったのです。開始した当初は今のように長く続けるつもりもなく、『出エジプト記』の終わりまでやれたら良いだろうという気持ちでした。
このような軽い気持ちで始めたことですが、今では随分と長く続いてしまいました。2019/3/22(金)現時点において、開始からずっと毎日公開を継続できています。どうしてこれほどまでに続けられるのか。大賞に選ばれずともモチベーションに全く影響を与えないのか(笑)。それは、聖書そのものがかなり面白いからです。世の中の「入門書」では味わえない裏話を探ると、驚くほど複雑な世界が広がっているのです。それがどれほど多くの人に読まれ、インスピレーションを与え続けてきたのか。それを想像するだけで痺れるほどです。
例えば女優の土屋太鳳が演じた『累-かさね』という映画があり、劇中劇としてオスカー・ワイルドの『サロメ』を演じる場面があります。『サロメ』自体は新約聖書がベースですが、オスカー・ワイルドは旧約聖書のダヴィデとヨナタンの関係に強い印象を持ったと言います。彼は同性愛者でした。そのオスカー・ワイルドは世界中の文学者に多大な影響を与えています。僕らが何気なく読み、観賞している世界の奥に、実は聖書の物語があるのです。
絵画も、音楽も、文学も、あらゆることの源流に聖書が見え隠れしています。単に「目からうろこは聖書由来」とか「モーセの海割りはあったのかなかったのか」みたいな皮相的な話ではないのです。
そういうわけで、ちょっと熱く、自身が連載を続けるに至った動機について語ってみました。ここまでお付き合いいただき、ありがとうございます。
『天使と悪魔の聖書漫談』
https://novel.daysneo.com/works/178a8cde4a6d50c25c6ec6d23ac00b32.html