40.ジークの仲間の悪魔達
文字数 863文字
夕光りを受けて、白い髪の少年ジークは塔の窓に腰掛けていた。そこへ、白いコウモリが羽を広げて飛んできた。ちぎれた人間の腕を、小さな足で器用に持っている。それを少年の手に落とした。
「今日のは新鮮じゃねぇか。またゲームの犠牲者か。ハッハッハッ。たった一人の人間を探すのに、一体何人死んだか」
ジークはまだ血の滴る腕に食らいついた。骨もバリバリ食べて、口が真っ赤になる。
「もうあいつも血の味を覚えた頃だな。そろそろか」
コウモリが肩にとまって一声鳴いたのでジークは頷く。
「ああ。しょせん、透明なだけで、盗賊と言ってもただの人間だ。最初から期待してなかったぜ。でもいいじゃねぇか。あそこであいつが死んじゃ困る」
残りの腕の皮下まで食いしゃぶる。
「薬も、血も飲ませた。後はあいつの体しだい。オレの出番も近いな」
「何の話?」
ジークの後ろに、赤紫の短い髪の女が現れた。服は革のノースリーブに長ズボン。
「ベザン。遅かったな」
「あんたのゲームはつまらない。だから終わりを見計らって来たの」
「そうか。オレもちょうど今考えてた。みんなに伝えろ。今回のゲームの優勝者はなしだと。また面白い選考方法考えとくぜ」
「面倒ね」ベザンという女は疲れたように言った。
「そんなことだと思ったぜ!」
天井に足をつけて、逆さまに立っている男が現れた。真っ赤な髪が爆発したように飛んでいる。鎖がついた黒い服を着ている。
「コステットはお前の獲物だもんなジーク」
ジークはニヤリと笑い、立ち上がった。首につけた四角いネックレスのドクロ柄が夕日で光る。
「キースを呼べ」
「何であいつなんだ」天井から飛び降りた男は怒鳴った。
「ゲリー。お前は乱暴だからな。ロミオだと、場がなごみすぎるし、ベザンは、やりたくないだろ?」
「当たり前でしょ」ベザンはジークの顔も見ずに答えて、タバコをふかした。
「っち。俺にもたまには暴れさせろ」ゲリーは舌打ちした。
ジークは楽しそうに笑った。
「まぁ待っとけよ。あいつがコステットの意味を思い出してからでも、時間はある」
「今日のは新鮮じゃねぇか。またゲームの犠牲者か。ハッハッハッ。たった一人の人間を探すのに、一体何人死んだか」
ジークはまだ血の滴る腕に食らいついた。骨もバリバリ食べて、口が真っ赤になる。
「もうあいつも血の味を覚えた頃だな。そろそろか」
コウモリが肩にとまって一声鳴いたのでジークは頷く。
「ああ。しょせん、透明なだけで、盗賊と言ってもただの人間だ。最初から期待してなかったぜ。でもいいじゃねぇか。あそこであいつが死んじゃ困る」
残りの腕の皮下まで食いしゃぶる。
「薬も、血も飲ませた。後はあいつの体しだい。オレの出番も近いな」
「何の話?」
ジークの後ろに、赤紫の短い髪の女が現れた。服は革のノースリーブに長ズボン。
「ベザン。遅かったな」
「あんたのゲームはつまらない。だから終わりを見計らって来たの」
「そうか。オレもちょうど今考えてた。みんなに伝えろ。今回のゲームの優勝者はなしだと。また面白い選考方法考えとくぜ」
「面倒ね」ベザンという女は疲れたように言った。
「そんなことだと思ったぜ!」
天井に足をつけて、逆さまに立っている男が現れた。真っ赤な髪が爆発したように飛んでいる。鎖がついた黒い服を着ている。
「コステットはお前の獲物だもんなジーク」
ジークはニヤリと笑い、立ち上がった。首につけた四角いネックレスのドクロ柄が夕日で光る。
「キースを呼べ」
「何であいつなんだ」天井から飛び降りた男は怒鳴った。
「ゲリー。お前は乱暴だからな。ロミオだと、場がなごみすぎるし、ベザンは、やりたくないだろ?」
「当たり前でしょ」ベザンはジークの顔も見ずに答えて、タバコをふかした。
「っち。俺にもたまには暴れさせろ」ゲリーは舌打ちした。
ジークは楽しそうに笑った。
「まぁ待っとけよ。あいつがコステットの意味を思い出してからでも、時間はある」