あなたの庭では遊ばない (14)
文字数 1,169文字
「しない」
「なんで」
「あたし、来年の三月で帰るから。国に」
「だから?」
「そのとき別れるの辛いじゃない」
「それだけ?」
「そう」
「帰るの決定なの?」
「妹がこっちに残りたいって言いだしたら、あたしまで残るわけいかないから。
あの子ファーストだから」
「誰が」
「あたしが」
「おれファーストにはなってくれないんだ?」
「無理」
「はっきり言うねー」
「フロだってあたしファーストにはなれないじゃない。御曹司ファーストじゃない」
「……」
「……」
「うん。ごめん」
「そういうとこ好き」
「好きって言った?」
「あっ」
「好きって言った??(嬉)」
「気のせい気のせい。空耳。やめて、こちょこちょやめて」
「それとも誰かいるの?」
「誰かって?」
「お国でミラ待ってる人」
「いないよ」
「怪しいなー」
「なんで」
「だって平家の人たちいるじゃない、
「関係ないよ」
「誰」
「だから誰でもないって」
「知盛さん?」
「違う」
「
「違う」
「
「違う」
「
「違うって」
「あいつだけは嫌だな、あいつには死んでも
「誰」
「
「あー(納得)」
いちおう解説。能登守こと平
ちなみにこの教経くん、壇ノ浦でもしつこく義経を追っかけ回し、困った義経が有名な「
「とにかく違うから。能登くんどう見てもあたしのタイプじゃないのわかるでしょ。ああいう王道マッチョ系」
「うん(喜)」
「まあ
「え(汗)」
「だからこちょこちょやめて!」
「じゃあもう期間限定でいいから。来年の三月まででいいから。下僕でいいから。ミラはおれだけの使い手でいて」
(可愛い……)
「今日みたいなことがおれの知らないところで起こったらと思うと気が狂いそうになる」
「わかった」
「約束して」
「何を」
「おれに任せるって」
「何を」
「全部」
「それ下僕じゃないよね?」
「そう?」
「こいつ(可愛い)」
「何でもいいから約束して。おれもう我慢できない。もう無理」
「うん」←ほだされた
「あと一つ頼みがあるんだけど」
「何」
「あの
おれ他の女には使われたくない」
(可愛い……!!)
この二人もなんとか幸せにしてあげたいんだけど、いまのところ何とも言えない。