第26話飛鳥の回復と、喫茶店再開準備

文字数 1,054文字

飛鳥の体調不良で、ソフィア喫茶店は、一週間の休業。
不調の原因は、風邪らしい。
高熱が続き、胃痛もあったので、大事を取った。
さて、そんな飛鳥を心配したのか、200を超えるお見舞いやら手紙やらが、田園調布の屋敷に届いている。

飛鳥は、体調が回復し始めた4日目から、お見舞いの品や手紙の整理を始めた。
その整理の手伝いは、従妹の美鈴。
文句を言いながら、テキパキと整理と指示もする。

「名前と住所と品物を表にして」
「ああ、品物は私が持つからいい」
「・・・女が多いなあ・・・」
「甘い顔をするから・・・すさまじい量だよね」
「ひ弱なんだから、夜更かししないで」
「読書もいいけれど、それで風邪引いて休む?」
「世話が焼けるなあ」

香苗は香苗で忙しい。
お見舞いの返礼品を、クッキーとパウンドケーキの詰め合わせにするため、キッチンで動き続けている。
「時間が無いから、前回と同じ」
「でも、詰め合わせ200を超えるとねえ・・・疲れる」

さて、飛鳥も、実は大変。
回復が万全ではないのに、美鈴や香苗に、「お小言と皮肉」を言われ続けながら、「手紙は自筆」と念を押されてしまったため。
「一律の内容にしよう」と思ったけれど、それも「ダメだし」をされたので、一人ずつに、頭を捻って書き続けた。


そんな作業が終わったのは、臨時休業の6日目。
全て発送し、三人はようやく、落ち着いた。
美鈴
「言わなかったけれど、心配の電話が何度も私に」
香苗
「うん、私も、あちこちから」

飛鳥は、「ありがたいね」とポツリ。

香苗は、「来店予約者リスト」を、飛鳥に見せる。
「再開初日から、満員」
美鈴
「・・・飛鳥さん、大丈夫?」
「身体、持つ?」

飛鳥は、苦笑い。
「身体は持つ・・・と思う」

香苗がチョコレートクッキーを、二人の前に置いた。
「中にドライフルーツを入れた」
「来店客に、お待たせごめんなさい、のお土産にする」

飛鳥は、一口食べて、香苗の顔を見る。
「まあまあ・・・かな・・・」
「もう少し香料を使えない?」
香苗
「そうするかな、確かに」
美鈴
「私、手伝います」
飛鳥は、また違うことを言う。
「シナモン紅茶との詰め合わせでも、いいかな」

営業再開で来店客に渡す「お待たせごめんなさいのお土産」は、時間も少ないので、チョコレートクッキーとシナモン紅茶の詰め合わせに決まった。

香苗は、飛鳥の頭がようやく動き出したので、提案した。
「それでね、当分、忙しいから、臨時のアルバイトを頼もうかと」
美鈴が飛鳥の顔を見た。
「従妹の奈緒ちゃん、明日、京都から来る」

飛鳥は「え?奈緒ちゃん?」と、うれしそうな顔になっている。
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