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文字数 4,310文字

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12/30
記録データ欠損あり
17:30 稼働開始
23:00 稼働終了
00:00 帰宅
00:30 食事 カップ麺、おにぎり
02:40 就寝

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09:00 起床
10:30 食事 納豆ご飯、味噌汁、豚ロース生姜焼き一枚
11:15 出発
11:50 稼働開始
01:00 稼働終了
02:15 帰宅
03:00 初詣
03:15 食事 味噌汁、納豆ご飯、ウィンナー5本 
03:30 日記執筆開始

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 昨日は早めに寝ようと思い、日記を書かなかった。しかし。2時まで起きていたから、書けばよかったと今になって後悔している。なので今回は、覚えている限りだが、2日分の日記を書く。

■12月30日
 大久保でデリバリーのバイトを募集していたので、ショットで勤務した。
 行ってみるとデリバリー専門店で、4件の注文をこなす店であった。個人的には初めて専門店で勤務したが、やっていることはマクドナルドと同じでキャノピーで配達だ。
 違うのは、自分のスマホを使うことと、大手ファーストフード店には少なくなった、店長が僕より年上の昭和期質な人だっただけだ。この店長、口調は丁寧だがとにかく他のスタッフに上からくるし、僕に対しても結構煽ってきた。

 「あぁーこの感じか。懐かしいなぁ」と思いながら、昭和期質の兄貴が作る料理を、中森明菜や忌野清志郎が流れる店内でボケーと待ち、出来上がったら届けるを繰り返していた。
 21時過ぎくらいでひと段落し、洗い物をしているときに店長が話しかけてくれた。どうやら僕は慣れていて配達も迅速だと褒めてくれた。少しうれしかった。そして、ほかのスタッフに対しても冗談交じりに平等に接しており、話を振られたスタッフも楽しそうに軽口を叩き返す。その様子から、店長に対しての恐怖や委縮はなく、尊敬を寄せているようだった。どうやら、仕事熱心過ぎて熱くなりやすい人みたいだ。それだけでなく、スタッフ一人一人をきちんと見ていて、気にかけている良い兄貴分みたいな人だった。
 この日は。ストレスもなく勤務できた。残業30分あったが全く気にならない。住所間違いの注文が2件あったが、差し引いても満足な1日になった。募集がかかっていたら、また応募してみよう。


■12月30日

 武道館にてイベント運営のバイト。16時間で2万5000円の高収入案件だったため応募したのだが、当日の報告が9時30分までに済まさなくてはならないうえに、勤務開始時間から1時間前に集合するという20時間くらい拘束時間。時給換算したら1,200円くらいになり、正直応募をしたことを後悔した。
 勤務したイベントは国民的アイドルが毎年開催している音楽フェスで、勤務内容は場内で座って観客の様子を見ているだけ。ただでいろいろなアーティストの曲を聴けるから悪くない仕事だった。

 そこで思ったのは、歌を媒介にして、エンターテイナー、アーティスト、シンガーに別れるということだ。その理由は歌のうまさが配信や映像と実際で大きく異なったからだ。
 例えば、エンターテイナーで言えば気志團やアイドル達。正直歌はメチャクチャ下手だ。しかし、ステージ上でのパフォーマンスに華があり、次は何をするんだろうと釘付けになる。

 アーティストは歌のうまさだけでなく、その人じゃないと出せない世界観があるかどうかだ。これはNOKKOの印象が強すぎた。声も立ち振る舞いも圧倒的な世界観を誇っていて、彼女の存在に息を飲んだ。ファーストサマーウィカはある意味これに近かった。音域は狭いが、メチャクチャ存在感があり、ステージ上での立ち振る舞いに美学を感じた。

 最後にシンガー。これは単純に、長年の積み重ねか天性の二択である。高橋ジョージがロードを歌ったが、これは圧巻の歌唱力だった。正直、大晦日の21時ロードか、とも思ったのも事実だが、とにかくよかった。また、五木ひろしは脱帽だった。歌謡曲で長年一線を張っていた理由もよくわかるほど、声の伸びと言葉の粒がよくたっていて歌の深みが半端じゃなった。尾崎豊の息子・尾崎裕哉も悪くなかったが、父親が持っていたブルースにも似た哀愁や怒りが声になかった。繊細で甘い感じの声でうまいんだから、むりやり父親の歌を歌わず、自分の歌を歌えば良いのにと思った。ティムバックリーとジェフバックリーみたいなもんなんだし、今後の動向が気になる人物でもある。

 ほかに気になったのは、あたらよ♪という男女混合のロックバンドだ。YouTubeではねた、TIKTOKで跳ねたという触れ込みの演者が数組出てきたが、あたらよ♪は素晴らしいパフォーマンスだった。日記を書きながら彼女たちのPVをYouTubeで見ているが、ライブでの曲も歌もPV以上のクオリティだ。彼女たちは尾崎裕哉と同じく注目したい。

 以上、歌を媒介にして3つのカテゴリに演者が分けられると書いた。それら全てを兼ねそろえていたのは、西川貴教一択だろう。まず声量が違うし、どんな体制でも音をずらさない。さらに、ステージ上での華やかさは主催者であるモモクロZを完全に食ってしまっていたんじゃないだろうか。まぁ競うもんではないが、アウェーなのに完璧に客を自分に引き込んでしまう存在感と歌唱力が素晴らしい。彼こそが超一流のスターというものなのだろう。 ほかにも色々出てきていたが、記憶に残っていないか、往年からの劣化が激しかったか、他現場からの中継で同条件ではなかったので割愛する。

 アイドルのライブに行ったのは初めてだったが、長年の偏見がなくなった気がする。アイドルは素晴らしい。小太りのおっさんやぽばさんが、人目を気にすることなく、思い思いの振り付けをしながら勘定むき出しにして楽しむことができる数少ないエンターテイナーではないのだろうか。むしろ、そうしないといけないような同町圧力も感じたが、そこはパンクやロックレジェント、クラシックの同調圧力よりもはるかに弱い。そしてどんな時でも明るく、ネガティブなことを言わない姿勢は、多くの人の気分を上げるんだろう。僕は根っからの性悪で根暗だから、まったく上がらなかったが、周りの同僚を眺めたら楽しそうに乗っていたので、まぁそういうもんなんだろう。

 こんなことを考えつつ、客を見ていた。すると、ふと気が付いたことがある。上下を白で揃えている客が多いのだ。白いパーカー、チノパンとシューズ。アクセントカラーでバックが赤、黄色、紫、ピンクなどで統一している人が多いのだ。多分暗くても推しが分かるようにということなんだろうが、僕は全く違うことを考えていた。
 僕は学校で、白は「清純」「清潔」「正義」「無垢」「純情」などという意味があると教わっている。つまり客たちは、自分たちは紛れもなくそういう存在だと叫んでいるようなものなのだ。有体に言えば童貞と処女である。そこで、僕は考えたのだ。


「童貞や処女だと声高に言えるのは、いったい何歳までなんだろう」


 僕は男だから童貞について、ちょっと考えてみた。まず、男の性欲の始まりから終わりについてだ。これは童貞喪失の時期に大きく影響する。

 僕が若かったころ、高3で童貞なら遅れていると言われていた。なるほど、肉欲が芽生える精通が小学校高学年くらいなのだから、そこから5年も立てば遅いと言われてもしょうがないかもしれない。しかし大学に入り、男子校出身の友達が出来たが、彼らはもれなく童貞だった。もっとも彼らも大学よりも早く、在学中に童貞を卒業していたが。

 では適齢期は中学生なのか? いや、中学生のころは童貞喪失者のほうが少数であった。中学生のころは童貞者の方が多かったから、非童貞は同町圧力に負けて黙していた可能性もあるが、人生でもっとも馬鹿な時期である中学生が、そんな一大イベントを迎えたのに黙っているはずがない。やはり非童貞が少ないのだ。卒業後に適当にくっ付いて両者ともに初体験を済ませていることも大いにあるだろうから、中学3年から高校1年までの春が一番怪しい。ここが初めのピークだろう。

 最初のテーマに戻ろう。いくつまで声高に童貞であると言えるかだ。僕の結論的には、0~15歳までとなる。ここが一番童貞であると誇れる時期なのだ。それ以降は童貞ではいられない同町圧力が始まる。それに負けて、風俗で済ませてしまったり、SNSで知り合った相手に捧げたりをしてしまうのだ。

 では、高齢童貞者は悪なのだろうか? 馬鹿にされる存在なのだろうか? 昔の風潮では、40過ぎで独身なら問題があるとされていた。しかし、現在の少子高齢化社会や独身率の高さを鑑みたら、特に童貞でも問題はないはずだ。男盛りで性欲も精力もピーク時の20代から30代を超え、減退期に入る40代も童貞でいられるならば、それはとてつもなく強い自制心を持っていると言える。
 司馬遼太郎は世に棲む日日で、吉田松陰を描いたとき、すべての異性を自分の姉の名前で呼ばせた。女郎に対してもだ。異性と関係を持ち、肉欲を覚えてしまうと、自らに内包する理想と情熱、狂気が失せてしまうという理由からだ。それは吉田松陰の志の高さと自制心の強さを素晴らしく描いていた。高齢童貞者は、まさにそれだ。
 性欲という本能に根差した強い感情を抑え込んでいるか、それを凌駕するほどの高い志を持っているか、まったくもって人と出会わない生活をしているに違いない。それら全てにおいて、高い自制心を感じる。つまり聖人になるのだ。童貞は20歳で成人になり、40歳で聖人になり、畏怖の対象へとなっていくのだ。つまり、全身白でコーディネートしているのは、まさにそれだ。KKKみたいに内包している本体は何者か分からないが、全身白というのはそういうことだ。

 そんなくだらないことを考えていたら、いつの間にか歳が変わり、イベントが終わってしまった。ろくでもない考えを新年に持ち込んでしまった。さらに、予定よりも4時間も早く勤務が終わり、収入も減ってしまった。さっき引いたおみくじには、サッパリしない運勢だと書かれていた。なんか、知っていた気がする。

 さぁ寝よう。明日も19:30から仕事だ。これが終わったら少し休日をいただこう。僕の正月休みは2日~3日だ。もっとも学校の課題もあるし、作りたいものもあるし、パチンコ店の様子もみたいし、仕事も探しつつバイトもしなくちゃだから、忙しく過ごさなければならないけど。

 今日はこれまで。 おやすみ、世界。
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