#01 雪の降る夜に
文字数 1,165文字
ノエルとニコラのふたりは、お父さんとお母さんが
ノエルは、おしゃまな女の子。
ニコラは、いたずら好きの男の子。
ふたりはいつも一緒で、とても仲のよい双子でした。
黒い蝶ネクタイをビシッときめた、タキシード姿のお父さん。
真珠のネックレスと、ベルベットのドレスに身をつつんだ、お母さん。
幼いふたりは、目をきらきらと輝かせるのでした。
お父さんは上着のポケットから金の懐中時計を取り出すと、我が子をぎゅっと抱きしめるお母さんに向かって言いました。
心配するお母さんを見て、おしゃまなノエルはこう言ったのです。
心配するお母さんを見て、おしゃまなノエルはこう言ったのです。
お母さんは人差し指を立て、ふたりに厳しく言いつけます。
ノエルとニコラは顔を見交わすと、声をそろえて元気よく返事をしました。
ノエルとニコラは顔を見交わすと、声をそろえて元気よく返事をしました。
2階の窓から見送るノエルとニコラ。
リゴーン、リゴーン……。
時計塔の鐘が7時を告げました。
鐘の鳴り響く音に、ふたりはじっと耳を傾けます。
幼いふたりは、この鐘の音を聞くたびに、自然と心が落ち着くのでした。
なぜなら、生まれたときから、ずっとこの音を耳にしてきたのですから。
すると、そのときです!
空から、ちらちらと白いものが、ゆっくりと落ちてきました。
そう、雪です。
ふたりは目を丸くすると、窓を開け、空を見上げました。
ノエルの手のひらにフワリと乗った雪が、スッと溶けます。
けれども、なんてきれいな夜空なんでしょう!
まるで、妖精がダンスでもしているかのように!
ノエルは、目をきらきらと輝かせながら、ちらちらと舞い降りる雪をじっと見つめます。
そして、そんななかキラキラと光るものが、雪とともにゆっくりと落ちてきました。
雪……、
いいえ、雪ではありません。
小さな小さな靴でした。
今まで見たこともないような、“小さな小さな銀色の靴”が雪とともに落ちてきたのです。