第7話 対話(二)
文字数 510文字
「あれっ、地球さん。なんだか最近、体がきれいになったんじゃないですか?」
「火星さん、気付いてくれましたか。この前の小さなやつね。あれに気付いた連中がいろいろ騒ぎ立てて。ああいうのは私に任せてくれれば、彼らは何もしなくてよかったのに。つい自分たちで何かやろうとしちゃうんですよね」
「ああ、私のところにきた連中も、ちょこちょこ動いてましたね、そういえば」
「すみません、火星さん。でもあなたのところに居ついたのは、まだ生き残っていますよね」
「増えすぎないように気を付けているみたいですよ」
「増えすぎても、なんとかこっちがやりますけどね」
「確かにね」
「まあでも、今回はですね。自分たちが知らない、見えないものへの探究心がむしろ仇だったのでしょうかね」
「それによって増殖し、繁栄していた彼らなのに。皮肉なものですね、地球さん」
「やっぱり、畏れがなくなったら、だめですよ。火星さん」
「私たちも寿命がありますしね、地球さん」
「そこですね。あと五十億回、太陽の周りを動いてから、ですかね。まあでも、私たちの表面で生きるなら、私たちを畏れてもらわないと」
「生き残りの皆さんは、身に染みていると思いますよ」
「そうあってほしいですね」
〈了〉
「火星さん、気付いてくれましたか。この前の小さなやつね。あれに気付いた連中がいろいろ騒ぎ立てて。ああいうのは私に任せてくれれば、彼らは何もしなくてよかったのに。つい自分たちで何かやろうとしちゃうんですよね」
「ああ、私のところにきた連中も、ちょこちょこ動いてましたね、そういえば」
「すみません、火星さん。でもあなたのところに居ついたのは、まだ生き残っていますよね」
「増えすぎないように気を付けているみたいですよ」
「増えすぎても、なんとかこっちがやりますけどね」
「確かにね」
「まあでも、今回はですね。自分たちが知らない、見えないものへの探究心がむしろ仇だったのでしょうかね」
「それによって増殖し、繁栄していた彼らなのに。皮肉なものですね、地球さん」
「やっぱり、畏れがなくなったら、だめですよ。火星さん」
「私たちも寿命がありますしね、地球さん」
「そこですね。あと五十億回、太陽の周りを動いてから、ですかね。まあでも、私たちの表面で生きるなら、私たちを畏れてもらわないと」
「生き残りの皆さんは、身に染みていると思いますよ」
「そうあってほしいですね」
〈了〉