パンダさんの滅びゆく者のために！

野生の王国！弱肉強食の無法地帯！
勝者だけが栄華を極める！血も涙もないサバイバル！
敗者はミジメなもの、エサとしてのみ存在します。
このまま座して絶滅を待つしかないのでしょうか？
が！そんな殊勝なヤツラばかりではありません。
反抗心というか、レジスタンスというか、
若さゆえの過ちを認めたくない者たちが！
彼らは食物連鎖に公然と反旗を翻したのです。
しかし！彼らは弱かった。弱いから無理なのです。
なので連中の一部はグレました。イタズラしてはウサ晴らし！
連中は”害獣”と嫌われた。

パンダさんのパン屋さんにドロボーが入りました。
捕まえてみたらハクビシンではありませんか。
近所で評判の悪い害獣です。
「今日という今日はカンベンならん！」
パンダさん、イヌのおまわりさんに突き出した。
ところが、です。
「駆除の許可を取っていますか？」
ああん？
「ハクビシンは絶滅危惧種レッドリストで減少が懸念されて
います。捕獲には許可がいります」
コイツ、悪いことしたんだぞ。
「むやみに捕まえると数が減って絶滅しちゃうのです」
コイツのせいでボクん家のパンが絶滅したぞ！
「生物多様性保全にご協力ください」

何ということでしょう！
ハクビシンは数が少ないというだけで優遇されているのです。
そんなバカな話があってたまるかっ！
そもそも数が少ないということは弱いからじゃないか！
生存競争に破れたからじゃないか！
何でそんなヤツを守らにゃならんのだ！
大体、民主主義ってのは多数決だろっ！
数が多い方が勝つハズじゃないかっ！
「その通り！”少数意見を尊重しよう”と多数決で決まりました」
？？？？？？？？？？？？？？？？？？
多数決はアホかっ！

パンダさん、怒りが収まりません。
かつてパンダさんは多数決の理念を聞いて感動しました。
腕力ではなく話し合いで解決しようというものです。
パンダさんもパワーではライオンやゴリラには負けるから、
口先での決着は大歓迎でした。
でも話し合いだと、今回みたいにザコにも負けるっ！
原点に帰ろう！やっぱり弱肉強食！
パンダさんは敢然と”その筋”に抗議！
「アンタだって危急種じゃないですか」
？！
何とパンダさんも絶滅危惧種だった！
おのれ、ハクビシンのヤロウ・・・
ただの減少懸念のクセに、この危急種様にタテつきおって！

民主主義バンザイ！少数意見尊重マンセー！
フフフ、これなら勝てる！猛獣ども、かかって来いやあ！


パンダさんの滅びゆく者のために！
この世から一匹残らず駆逐してやる！

・・・・・・・・・・To Be Continued