Beats Knockin【6/6】
文字数 588文字
今回のオチ。
急遽つくらせた、幹を納めたお堂で鏑木盛夏が護摩をたいたところ、吉野ヶ里咲もお柳さんも、健康体に戻ったのである。
土蜘蛛とは関係なく、〈魔性〉は、普通に帝都にも紛れ込んで生活している、ということがわかった一件だった。
むしろ、気になったのは、吉野ヶ里と朽葉コノコもまた、知り合いであった、ということである。
お嬢様学校だから知り合いであってもおかしくないだろう、とは、〈思わなかった〉わたしは、正しかった。
だけど、コノコと咲の関係性のお話は、今回とはまた別件である。
盛夏に言われ、わたしは図書館で古書を漁った。
疲れながら、
「ウィスキーが飲みたいー」
と、帰宅後、下宿でぐだったところ、貫通している穴から顔を覗かせた隣の部屋の鴉坂つばめちゃんに、
「あんたは壁の修復のこと、考えなさいよ!」
と怒鳴られたのだった。
「修復魔術とやらは?」
と、わたしは聞いてみた。
「普通に直せって、やくしまるななおに凄まれたわよぉー!」
つばめちゃんは叫び、筆記用具などを空いた穴からわたしの部屋に飛ばす。
「壁の修復かぁ。ふふん。このわたし、壊色お姉さんの日曜大工の腕が鳴るわね」
と胸を張ると、
「ウザ! 壊色、ウザ過ぎッッッ!」
と、さらに叫ぶつばめちゃんなのだった。
ああ、もう。
〈了〉